君との物語

□えぴそーどT
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 銀八が教室を出て行こうとすると、がちゃっと背中で音がした。

「おいおいリボーン。レオンで俺殺す気かコノヤロー」

「待てギンパチ。俺は場所を移せとは言ってねェぞ」

「お前が言ってなくとも、生徒に聞かせるもんじゃねェだろ。こいつ等は関係ねェ」

 リボーンはニッと笑った。

「関係あるゾ。ギンパチ、





ツナの守護者になる気はねェか?」






「………はぁぁぁぁぁ!?」






 銀八はバッと振り向き、リボーンの方を向いた。


「ちょっ、はい?!何言ってんの!?お前馬鹿なの!?いろいろ言いたい事あるけど、お前馬鹿なの!?」

「お前に言われたくねェよ」

「うわっ。銀さん今傷ついた」

 おどける銀八に、リボーンは真剣な目で見る。

「で、なる気はねえのか?」

「無いね。っつーか俺に関する話なら此処じゃなくともいいだろ?」

「此処じゃなきゃこいつ等が分かんねえだろ」

「だから…………。おい、リボーン。まさかとは思うが、こいつ等の誰かを守護者にーとか、考えてねぇよな?」

「分かってんじゃねえか」

「……マジかよ……」

 銀八は頭をガシガシとかいた。

「……はぁ。しゃーねぇ。だが、霧は此処にいねェぞ」

「問題ないぞ。こっちには大空と霧はいるからな」

「そーかい。……神楽、新八行くぞ。あとヅラ。至急高杉を国語準備室に連れて来い」

「ヅラじゃありません桂です。分かりました」

 小太郎はどこかに走っていった。

「先生ー!結局俺達はどうするんですかー!」

 勲が手を挙げて発言した。

「さっきも言ったろ。自習だ自習」

 すると喜びの声が上がった。が、

「課題何枚か出すからそれ終わらなかったら宿題なー」

 銀八は、遊ばせてやるほど優しい人間ではなかった。




「因みに10枚な」



 天使、神とは程遠い、鬼、もしくは魔王だった。

 勿論ブーイングが聞こえる。

「んなに出すわけねーだろ。冗談だ冗談。この時間は月詠がいるから、月詠に『国語のプリント4枚』って言って全員分のプリント印刷してもらえ、風紀委員4人」

「あれ先生。風紀委員は2人しかいませんぜィ?」

「ほう?それは誰と誰だ総悟?」

「勿論近藤さんと俺でさァ。というか土方さんいたんですかィ?」

「テメェ……!」

「あのー、沖田さん。俺忘れてません?」


「「あ、忘れてた」」


「えぇぇぇぇぇぇ!?」

「まぁまぁジミー。気にするな」

「あの、怒っていいですか?」

 騒ぐ4人に綱吉がクスリと笑う。

それを見たリボーンが少し驚き、ふっと口元を緩めた。

「やっぱ、正解だな」

「ほらリボーンに沢田行くぞー」

 銀八の掛け声で慌ててついて行った。

「ところでツナ缶」

「つ、ツナ缶……?」



「お前、本当に『あの』]世アルか?」



 神楽が問うと、綱吉は少し黙った後首を振った。

「……違うよ。オレは『元』ボンゴレ十代目なんだ」

「元?それって今は違うってこと?」

 新八も不思議そうに訊いた。

綱吉は小さく頷く。

「何でアルか?もう十一代目に引き継いじゃったアルか?早すぎヨ」

「違うんだ……。オレ、は……」



「はいストーップ。オメーらだけで話進めんじゃねーよ。晋助と小太郎がわかんねェだろーが」

 神楽は「ごめんヨ銀ちゃん」と言って軽く謝った。

銀八は神楽の頭をポンポンッと叩き、「わかりゃいいんだよ」と言った。

神楽は少し照れた様子で笑った。

 新八はそんな二人を見て呆れた様に、だが微笑ましそうに笑った。



「……」

 綱吉は三人を見て悲しそうに俯いた。リボーンも悲しそうにした。

 それに気付いたのは、銀八だけだった。




えぴそーどT
 銀色と闇を抱えた少年の出会い





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