銀色×僕SS
□第六話
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「銀!?」
銀が柵に捕まり、どうするか迷う。
今両手は限界に近い。
かといって少年をそのまま落とすわけにもいかないし、2人とも落ちる訳にはいかない。
下にはかなりの人だかり(野次馬)がいた。
「(仕方ねェ、一か八かだっ!)」
銀は勢いをつけて少年を上まで上げようとするが、手が悲鳴を上げる。
「(女の身体ってメンドくせェ!)」
痛みをこらえて少年を上に投げ飛ばした。
少年は宙で何とか柵を乗り越えた。
呻いてはいたものの、打撲程度で済むだろう。
銀がホッとしたのもつかの間、今度は銀の手が柵から離れてしまった。
「(やべっ!?)」
骨折程度で済むかなーと呑気に考えた瞬間
パシッ
「あっぶねー」
「連勝……」
連勝が銀の手をつかんでいた。
「間に合ったー」
そう言って銀をグイッと引っ張り上げる。
重い、とも言わずにヒョイッと持ち上げられ、地面におろしてもらった。
屋上のコンクリートに足を付けると、まず目に留まったのは、仁王立ちでボロボロの不良たちに説教&暴力をしている、元攘夷三人(小太郎、晋助、辰馬)だった。
「おいテメェ等、銀を土下座させた上に落とすとはどういう事だァ?」
「銀に手を挙げるなど、言語道断」
「おまんらぁ、覚悟はできちょるかえ?」
『『『す、すいませんでしたァァァァァァァァァァァァ!!』』』
「「「ごめんで済むと思ってんのか?」」」
『『『ヒ、ヒィッ!!』』』
銀は固まった。
「……何してんのアイツ等」
「んーと………粛清?」
「なんで俺の話になってんだよ。普通に考えて、あの生徒―――」
そこで銀はハッとして、未だに横たわっている少年に駆け寄った。
「大丈夫!?」
すると少年はうっすらと目を開け、こくりとわずかに頷く。
すると銀はホッとしたように笑みをつくった。
だが少年はすぐに気を失ってしまった。
「あ、おい!……連勝、どうしよう」
「医務室連れてった方がよくないかー?」
「そうだな……。じゃあ連勝よろしく」
「いいけど、まずあっちどうにかしないと、あの人達死ぬぜー?」
銀がもう一度見た時には、黒い笑みを浮かべて、何処からか持ってきたか分からない刀を持っている三人に、不良たちが涙目にして必死に土下座で謝っていた。
「ってえぇぇぇぇぇ!?ちょ、待てお前等!その刀どっから持ってきた!?つーかこの世界で刀抜くんじゃねェよ!」
「止めるな、銀!俺はこいつ等を殺らねばならん!」
「やるが変な方向になってるから!晋も辰馬もやめろ!」
「俺はただ、殺すだけだ。この腐った馬鹿どもを。獣の呻きがやむまでなァ」
「これからはこれぜよ」
「おいィィィィ!いろんな台詞が混じってんじゃねーか!晋はなんか台詞ちげぇし、世界から人に小さくなってんじゃねェか!辰馬に至っては『これ』の意味が違ぇよ!なんで今時刀なのかがわかんねーよ!!何お前等記憶あんの!?」
「銀時、そうカリカリするな」
「テメェ等の所為だろーがァァァァァァァァァァァ!!」