銀色×僕SS

□第五話
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「おい、銀!何であんな奴に話しかけたんだよ!」


 晋助は怒り気味に銀に言った。

「ああなる事分かってたんだろーが!」

「……分かってたさ。だが、仕方のない事だ。というかあれが普通なんだよ」

 銀は男口調になった。

「……なぁ、銀。アイツに言わなくて良いのか?本当の事」

「本当の事を言った所で何も変わらねェよ。アイツも迷惑がるだろうよ」

「そんな事ないと思うけどなー」

「つーかお前、誰だ?」

 晋助が連勝を睨む。

「俺ー?俺は反ノ塚 連勝。銀の幼馴染ー」

「あっそ」

「つーかお前も誰?転校生だよなー?」

 連勝が聞いても、晋助は答えない。銀が「晋」と言うと、舌打ちした。

「陽雷 晋助」

 それだけ言った。

「へー。それで晋なのかー。俺も晋って呼んでいい?」

「ヤダ。っつーかマジウザい。消えろ。特に銀の前から。あと銀に近づくな」

「えー。なにその発言」

 すると銀がアハハッと笑った。

「お前等相性いいんじゃね」

「良くねぇよ。つーか俺コイツ嫌い」

「そおー?俺は結構気に入ったけど、このチビ助ー」

「チビ助言うな!」

「俺より低いじゃん」

「ウッセェ!」



『おいチビ助!』

『チビ助言うな!』



 前世でもそんな事を言っていたなぁと思い出す。


 陽雷 晋助。


 名字は変わったが、もとはもっとも危険な男と言われた過激攘夷志士、高杉 晋助である。

 最初あったときは驚いたが、晋助は前世の記憶がないらしく銀の事は覚えていなかった。

 それでもあえて嬉しかった。

 後は小太郎や辰馬、それに万事屋メンバーと会えたらいいな。

 そんな事を思いながら歩いていると前の方からある二人の男が歩いてきた。



「……は?」




 銀は思わず声をあげた。



「あれ?そこの美人さんはだれかのう?」

「見ない顔だな?もしや噂の転校生か?」




 その二人とは辰馬と小太郎だった。

 顔は攘夷時代の時くらいに少し幼かった。

 辰馬はサングラスはかけていないものの、見ればわかる。

「というか晋助ではないか!」

「およ?ヅラ知り合いかのぅ?」

「……まぁな。相変わらずチビだな!ハッハッハー」

「ウッセェ!つーかテメェらなんて知らねェ!」

 小太郎は少し顔をしかめた後「そうか」と言った。

「貴様もか……」

「何がだ!」

「そしてもう1人は確か俺達と同じ学年だったな」

「噂通りの別嬪さんぜよ〜。アハハハ〜」

 晋助がキッと睨んだ。

「銀に近づくんじゃねェ!」

「……銀?」

 小太郎が首を傾げる。

 その後大きく眼を見開いた。



「貴様……もしや銀時か!?」



 銀は少し嫌な顔をした。

「一番嫌な奴が覚えてた」

「嫌な奴とはなんだ、嫌な奴とは!という事は本当に銀時なのか?」

「……あー……まぁ、な」

 小太郎が銀の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「そうか、女になってたか!それはそれで可愛い!というかそれで良い!というか俺より小さいな!」

「ウッセェよヅラ!つーかキモいんだよ!誤解されたらどーすんだコノヤロー!」

「良いではないか、一生というかずっとお前は俺の弟だ!」

「今は違ェ!どっちかっつーと妹だ!いや、それも嫌だけども!」

 そんな会話をしていると、晋助が小太郎の手を退けて割り込んできた。

「銀に近づくな!馴れ馴れしいんだよテメェは!」

「というかお前等知り合いかー?」

「いつの間におまん彼女つくっとったんじゃ?」

「「彼女じゃねェ!」」

 銀と何故か晋助も突っ込む。

「まぁ、あれだ。俺とこいつは兄妹みたいなものだ」

「あながち間違ってはないけどよォ、せめて幼馴染にしろ」

「なんだ照れているのか」

「いい加減ウッセェよヅラ!」

「ヅラじゃない、桂だ!というか髪を結ばなくて良いのか?グシャグシャだぞ?」

「テメェの所為だろーが」

 そう言って銀は髪をほどいた。

 長い髪がおろされ、別人に見えた。

 三人は少し見とれた(連勝以外の)。

「?なんだよ?」

「お前、それ男殺しかねないからなー?」

「??」

 本人は自分が鈍いことも、原因か何なのかもわからずに首を傾げた。

 そして「まぁ、いっか」と言って、髪を手でとかした。

 そしてポケットを漁るが、櫛は無かった。

「あー、教室に忘れて来た……。しゃあねぇ、このままにしとくか」

「だから男殺す気、お前ー?」

「だから何の話だよ」

 そう言ってため息をついた。

「とりあえず腹減ったし屋上にでも行こうぜ」

「おー、そうしよー」

「なんだ?貴様らも屋上に行くのか?」

 辰馬がアハハハ〜と笑う。

「だったら一緒に食べるぜよ〜」

「はぁ!?なんでテメェ等と!?……行こうぜ、銀に連勝」

 さりげなく連勝も誘った晋助に銀はクスッと笑う。

 連勝は「お、マジで?」と言った。

「いいか、連勝?晋は無意識に素直になるんだぜ?」

「へー、良い事聞いたー」

「何が!?」

「でもまぁ良いんじゃね?大勢でも」

「では行くか。ほらチビ、行くぞ」

「だからチビじゃねェって言ってんだろーが!」

 ワイワイと楽しみながら(笑)5人は屋上に向かった。



 第五話 完




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