闇夜の月光
□第6章
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西暦3034年 6月26日 PM 2:30
「さて、と…漸くアタシ達の出番みたいね」
「頑張ってね、りっちゃん!北村さん!」
そろそろ幹部以下のメンバーの戦いが終わるという事で、璃依と哲が武器を持って立ち上がった。
「って言っても、いつアタシ達と戦うかは分かんないけど」
ニッと不敵に笑った璃依。哲はニコリと何を考えてるんだかわからない顔で笑い、霧夜も不敵に笑い返し、夏輝は今それに気付いたと言うように顔を青ざめさせた。
「ど、どうしよう!私、りっちゃんと戦わないといけないかもなの!?」
「勿論。…って言うか、それ、考えてなかったの?」
璃依が少し呆れた様に言うと、夏輝は当然と言うように青ざめたままの顔で頷いた。
「なっちゃん、もしアタシと当っても、本気で戦ってね?楽しみにしてるんだから」
ね?と璃依が言い聞かせるように言えば、夏輝は渋々、と言った感じで頷いた。
「それじゃ、また後でね〜」
哲がひらりと手を振り、そのまま2人は去って行った。
「俺らも頑張んねェと!」
「そうですね!」
2人は決意を新たに、それぞれの武器を持つ手に力を込めた。
「やっぱ、幹部の戦いって違うんだなー」
幹部たちの戦いを観戦しながら、霧夜は呟いた。
「そうですよね…。やっぱり、りっちゃん達、強い…」
夏輝も戦いを見ながらそう呟いた。
「……シド先輩、本当に私たち勝てるんでしょうか?」
「勝てる勝てないじゃねェ…」
シドは夏輝の方を振り向いてニヤリとカッコつけるように笑った。
「勝たなきゃならねェんだ」
「何カッコつけてるんですか。私は別に先輩にときめいたりしませんよ」
「冷たいな、オイ!」
霧夜がツッコんでいるが、夏輝は完全にスルーして観戦に戻る。霧夜はぶつくさ言いながら、同じように戦いに集中する。
「……あ、次俺だ。行ってくるぜ!」
「頑張ってくださいね」
「おぅ!!」
今度は楽しげにニッと笑った霧夜は奥の方へ歩いていった。
「りっちゃん!」
とそこへ、戦いを終えた璃依が来た。
「次はシドが戦うの?」
「うん、そうだよ」
夏輝が頷くと、璃依は「じゃ、アタシもここで見てよ〜」と言って、夏輝の隣に座った。
そして霧夜の戦いが始まった。