闇夜の月光

□第6章
1ページ/6ページ





西暦3034年 6月26日 PM 2:30



「さて、と…漸くアタシ達の出番みたいね」

「頑張ってね、りっちゃん!北村さん!」

 そろそろ幹部以下のメンバーの戦いが終わるという事で、璃依と哲が武器を持って立ち上がった。

「って言っても、いつアタシ達と戦うかは分かんないけど」

 ニッと不敵に笑った璃依。哲はニコリと何を考えてるんだかわからない顔で笑い、霧夜も不敵に笑い返し、夏輝は今それに気付いたと言うように顔を青ざめさせた。

「ど、どうしよう!私、りっちゃんと戦わないといけないかもなの!?」

「勿論。…って言うか、それ、考えてなかったの?」

 璃依が少し呆れた様に言うと、夏輝は当然と言うように青ざめたままの顔で頷いた。

「なっちゃん、もしアタシと当っても、本気で戦ってね?楽しみにしてるんだから」

 ね?と璃依が言い聞かせるように言えば、夏輝は渋々、と言った感じで頷いた。

「それじゃ、また後でね〜」

 哲がひらりと手を振り、そのまま2人は去って行った。

「俺らも頑張んねェと!」

「そうですね!」

 2人は決意を新たに、それぞれの武器を持つ手に力を込めた。





「やっぱ、幹部の戦いって違うんだなー」

 幹部たちの戦いを観戦しながら、霧夜は呟いた。

「そうですよね…。やっぱり、りっちゃん達、強い…」

 夏輝も戦いを見ながらそう呟いた。

「……シド先輩、本当に私たち勝てるんでしょうか?」

「勝てる勝てないじゃねェ…」

 シドは夏輝の方を振り向いてニヤリとカッコつけるように笑った。


「勝たなきゃならねェんだ」


「何カッコつけてるんですか。私は別に先輩にときめいたりしませんよ」

「冷たいな、オイ!」

 霧夜がツッコんでいるが、夏輝は完全にスルーして観戦に戻る。霧夜はぶつくさ言いながら、同じように戦いに集中する。

「……あ、次俺だ。行ってくるぜ!」

「頑張ってくださいね」

「おぅ!!」

 今度は楽しげにニッと笑った霧夜は奥の方へ歩いていった。

「りっちゃん!」

 とそこへ、戦いを終えた璃依が来た。

「次はシドが戦うの?」

「うん、そうだよ」

 夏輝が頷くと、璃依は「じゃ、アタシもここで見てよ〜」と言って、夏輝の隣に座った。

 そして霧夜の戦いが始まった。




 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ