闇夜の月光

□第4章
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西暦3034年 5月6日 AM 10:30



 霧夜と夏輝が“黒龍の使者”に入っておよそ1ヵ月がたった。

 2人とも大分体力が上がってきて、対人戦なら、ある程度は戦えるようになってきた。

「…さて、そろそろ2人の力を覚醒させないといけないのよ」

 いつもの訓練の時。璃依は霧夜と夏輝にそう言った。

「「覚醒??」」

「そう。…2人には、力が眠ってる。まだそれがどんな物なのかは分からない。だから、これからそれを覚醒させるための訓練に移るわ」

 璃依の言葉に、2人は顔を見合わせた。

「俺達の力、かぁ……」

「どんなものなんでしょうね?」

「さぁ?…りぃは、どんなの何だ?」

 霧夜が璃依に訊いた。

「アタシ?…アタシのは簡単に言えば、『予知能力』ってトコかしらね」

「予知能力!?カッケェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!」

 霧夜が叫んだ。

「いや、そこまでかっこよくはないわよ?ただ、1秒先のことが見えるって言うか…。まぁ、予知って言ってもその程度だし、アタシより強い力を持ってれば見えないし」

 璃依は肩をすくめてそう言った。

「へぇ…。あ、他の人はどんなのがあるの?」

「えっと…北村が『心を読む能力』で、今第3位の咲間さんが『時間を繰る力』。……麻鬼様と雅様はあまり…っていうかほとんど力を使わないから、よく分からないの。他に言えば、『瞬間移動』とか『透視能力』ね」

 璃依が言うと、2人は「へぇ〜」と言った。

「ま、同じ人もいるし、この“黒龍の使者”の中でたった1人、って人もいるから、2人の能力はまだ分からないわね」

「うし!何かめっちゃヤル気出て来た!!!」

 霧夜が叫んだ。瞳は『ヤル気の炎』(←なんじゃ、そりゃ(呆))がメラメラと燃えている。

「…シド先輩、燃えてますね〜」

「うわぁ…何か……ねぇ?」

 夏輝と璃依は暫く呆れた目で霧夜を見ていたのだった。






 
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