Silver Sword

□第1章
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「オギャァァァァァァァァ!?(なんだこれェェェェェェェェ!?)」

「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」

 銀時がふと気づくと、そこは病室だった。そして自分は泣き声を上げている。

「ギャァァァァ!!(何なんだ!!)オギャァァァァァ!?(俺死んだんじゃねェのかァァァァァ!?)」

 銀時は泣き叫びながらキョロキョロと辺りを見回した。

 どうやらここは病院で、銀時は転生し、赤ん坊になってたった今生まれたようだ。

「あらあら。元気な子ねぇ〜」

 女性―――母親の吉田友紀がふわりと微笑んで銀時を抱いた。

「友紀!生まれたか!?」

 扉がバンと開き、2人の人物が中に入って来た。

「父さん、少し落ち着いてください」

「お前は落ち着きすぎだと俺は思うんだがな…」

「私は普通ですよ」

 落ち着いた少年の声と元気な男性の声。

「……っ!?」

 しかし、突然少年は銀時を見て驚いたように目を見開いた。銀時も少年を見て驚いた。

「銀、時…?」

「あう!?(松陽、先生…!?)」

 その少年は、銀時を拾って育ててくれた恩師、吉田松陽をそのまま子供にしたような人物だった。

「松陽。銀時って?」

 男性―――父親の拓哉が問う。

「え、あ、いや…」

 松陽は戸惑いつつ銀時をチラチラと見ている。

「あぁ、あれか。前世の記憶ん中にあった奴か?」

「あら、そうなの?それは良いわ!!なら、名前は銀時で決定ね!」

「か、母さん……。というか、普通子供が前世の記憶持ってるなんて言ったら、可笑しいと思うものじゃないんですか?」

「良いじゃないか、松陽。固い事言うなよ」

 ハハハハ…と楽しそうに笑う両親に、松陽は困ったような顔をした。そして友紀に抱かれたまま呆然としている銀時を腕の中に収めた。

「…銀時、私の事覚えてますか?」

「あい!!(はい!!)」

 銀時がキャッキャと笑うと、松陽はクスリと笑った。

「あぁう!あうー!!(先生!会いたかった!!)」

「銀時………」

 銀時を抱き上げた松陽。

「あらあら。松陽はお兄ちゃんって言うより、お父さんって感じね」

「あぁ、あれだろ。…前世の記憶があるから、無駄に年取ってるのであって、俺が幼い訳じゃねェんだ……!」

「……拓哉さん………………(呆)」

 友紀が拓哉を少し呆れたような目で見る。

「父さん。無駄に年取ってるとか違いますからね」

「……冷静だなぁ」

 拓哉が言うと、松陽はため息をついた。

 友紀は松陽から銀時を受け取ると、そのフワッとしている銀髪を撫でた。

 銀時は前世と変わらず、紅の瞳だった。髪の毛は銀髪のようだ。今の時点ではわからないが、きっと天パだろうと思われる←

「綺麗な髪……」

「ホントだなぁ…。でも、誰に似たんだろうな?俺の家族には銀髪なんていなかったけどな…」

「私の方もそうよ?…でも、良いじゃない。可愛いんだから。…ねぇー、銀時?」

 友紀はニコッと微笑んで、銀時に話しかけた。

「……良かったですね、銀時」

 それを見て、銀時の前世を知っている松陽は嬉しそうに微笑んだのだった。





 
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