君との物語
□えぴそーど]T
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銀時が電話を切った後、帰る前にスーパーによって夕飯の買い物をした。だが三日分くらいは余裕であるだろう量を買い込んでいて、金額もものすごい額になっていた。
少し買い物袋を持つのを手伝った綱吉は歩いて少しでバテそうになっていた。
家のについてドアを開けると靴がたくさん並んでいた。中には女ものの靴まである。
銀時がただいまー、と言った後に綱吉も小さく同じ言葉を言うと、二階からどたばたという音が聞こえて階段から見たことのある顔の少年少女が降りてきた。そのうちのビン底メガネをかけたお団子頭の少女が銀時に飛びつく。
「銀ちゃーん!お帰りアル〜!!」
「うおぉ!ちょっ、神楽飛びつく前に運ぶの手伝え!!」
「えー、だって銀ちゃんがその姿になるの久しぶりヨ。もっと飛びつきたいアル」
「飛びつくな、アホ。つーか、『えー』じゃなくてこれ運べって言ってるだろーが」
「それはか弱い少女がやることじゃないアル。あそこの中二組に任せると良いアル」
「「誰が中二だ!!」」
「ん?リーダー、俺も中学二年生だが?」
「そっちじゃねーヨ。お前はもう黙ってさっさと荷物運ぶヨロシ」
一通り話し終えると長髪の少年と、中二と言われて納得していないような顔をしている眼鏡の少年と眼帯の少年が綱吉と銀時から荷物を受け取ってくれた。
「銀ちゃん銀ちゃん!お腹すいたアル!おやつ!!」
「ご飯前に食べちゃいけません。我慢しなさい」
「銀ちゃんのケチー」
「ケチじゃねェ。そんなこと言ってると夕食減らすからな」
「そんなの酷いヨ!いたいけな少女に虐待とはひどいアル!!」
「いや、俺お前の親じゃねェし」
わいわい言いながら少女と銀はリビングに向かう。綱吉もそれについていった。
「わー、いっぱい買ってきたアルな。今日のごはんは何アルか?」
「んー、とりあえず野菜炒め、チャーハン、あと野菜スープくらいだな」
「えー、銀ちゃんハンバーグは?」
「野菜じゃなくて肉出せ肉」
「うるせェちびっこ組!いつも肉出してやってんだろーが!感謝しやがれ!!」
「私は標準アル。この中二病患者のチビ助とは違うアル」
「誰が中二病だチャイナ」
銀時は一通り少年少女と話し終わった後、みんなを集めた。
「オメーらはこいつのこと知ってるな。ツナこと沢田 綱吉。元ボンゴレ十代目」
綱吉は少年たちにぺこりと頭を下げる。
「ツナ。前に一回会ってるが、紹介するよ」
「はいはい!私からやるアル!私は神楽アル!よろしくヨ!」
とビン底メガネをかけたお団子の少女が。
「志村 新八です。よろしく」
と先ほど中二と言われた一人の眼鏡をかけた少年が。
「次は俺だな。桂 小太郎だ。あとこれはカツラじゃなくて地毛だ。あ、いや、名前は『かつら』だけれども「黙れヅラ」ヅラじゃない桂だ!!」
と銀時にツッコまれた長髪の少年が。
「高杉 晋助だ」
と中二、チビとからかわれていた片目を包帯で覆っている少年が。
「そしてオレがツナの家庭教師、リボーンだ」
と机の上に立っている赤ん坊が―――
「っておいリボーン、机の上に立つなよ」
「俺の気配に気づかないなんてツナよりダメだな。今日からお前のこと『ダメギン』って呼んでやるゾ」
「呼ばんでいい。つーか察しろって方が無理だろ」
「なんだよ、つまんねぇやつだな」
「つまらなくて結構。さっさと机から降りろ」
銀時が言うと、リボーンは机から降りて綱吉の肩に飛び移った。
「あー!この前の赤ちゃんアル!!」
神楽がリボーンを指さしながら叫ぶと晋助がうるさい、と言って頭を叩いた。
「リボーン!?今までどこ行ってたんだよ!」
「あぁ、ちょっと写真を現像してたんだ」
「写真って……あの5限の?」
リボーンはニヤリと笑って肯定した。綱吉はそんな教師二人のやっていることに頭を抱えた。というか、本当に教師なのか疑うレベルだ。
確かに二人とも実力も頭脳もすごいのだろうけれど、こういう子供っぽいところを見ると疑いたくなる。
「おー、できたのか。あとで俺にも見せてくれ」
「いいゾ。ただし、1枚1万円だからな」
「写真ごときで金とんなよ」
「銀さんが言えることじゃないからね!?」
「俺の方が『ゼロ』の数が1個少ねぇし」
そういう問題じゃないだろ、と心の中でツッコむと、それを見透かしたようにそういう問題なんだよ、と返された。