君との物語
□えぴそーど[
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気合が入ってやる気満々の綱吉達のチームを見て、いよいよ相手チームが焦り始めるていた。
「おいおい。沢田やりやがったぞ」
「ヤバいな……」
どうやらそろそろ本気を出すらしい。
そしてこちらのチームの綱吉以外が相手チームに向けてにやりと笑った。
「え、何アイツ等。今まで本気じゃなかったとか言ってるよ?」
「なにそれー、超ウケる〜」
「何か焦ってるし〜」
「圧勝とか言って」
「「「「負けてんじゃーん(笑)」」」」
「「「「「(怒)!」」」」」
相手チームがキレだし、ゴゴゴッと音が鳴っていそうな勢いである。こちらチームはぷぷぷっとおかしそうにわざとらしく笑っている。
「上等だゴラァ!!やってやろうじゃねーか!」
「勝てるのー?この俺達に?いや」
「「「「沢田 綱吉に」」」」
綱吉はぽかん、とした。変な所で団結するなぁと思っていると、教師に「早くしろ」と言われたため、ついた。
残り時間は2分。
相手も本気になってきたので、点数がとられていく。こちらも負けずに点数をとっていく。
残り時間30秒。
10対8で綱吉たちのチームが負けていた。
「クソッ!」
焦った同じチームの中村がボールを必死に取り返す。
「おい!田中!!」
「俺は田中じゃなくて中村だ!覚えとけ坂田ァァ!!」
中村は銀時にパスを出した。
残り時間20秒。
「坂田!!テメェなら二回決められるだろ!!」
「ヤダめんどい」
「言ってる場合か!?」
銀時はドリブルしながら走った。ただ、三人も邪魔してくる。
「どけよ。邪魔すんじゃねーよコノヤロー」
「邪魔するさ!!あともう少しで俺達の勝ちなんだからな!!」
銀時は忌々しそうに舌打ちをした。そして下を向いた。
残り時間10秒。
銀時はハハッと笑った。
「やっぱ馬鹿だな、お前等」
「は?」
銀時はポーンと上に高く投げ、落ちた先は敵チームに守られていない綱吉。
綱吉はキャッチする。
「投げろツナ!スリーポイントシュートだ!!」
銀時が叫ぶ。
だが、綱吉がいる場所は中心にかなり近い場所。遠くて届かない。
「ダメもとで良い!投げろ沢田!!」
残り時間5秒。
「えいっ!!」
綱吉はボールを投げた。
4秒。
綺麗な放物線を描き、ゴールへと向かう。
3秒。
誰もがそのボールを視線で追う。
2秒。
ボールは板に当たった。そして縁をぐるぐると回る。
「いっけェェェェ!!」
1秒。
「入れェェェェ!!」
そしてボールは―――――
ピピーッ
ボールはゴールの網の中に落ちて、体育館の地面を何回かはねた。
教師が吹いた笛の音が響く中、テンッテンッと跳ねる音が同時に聞こえた。
「は、入った……?」
「10対11で沢田チームの勝ち!!」
「え?いつから沢田チーム?」と皆が疑問に思ったが、そこは気にしない。
綱吉たちのチーム、改め沢田チームが勝った。
「やったな沢田!!」
「まさかスリーポイントで逆転とはな!!」
「スゲーよお前!!」
沢田チームの金山、谷川、中村が綱吉に近づいていて背中をバシバシ叩いたり、ほめたたえたりしていた。
そしてその近くでは相手チームが悔しそうに顔を歪めていた。
「ダメツナに俺らが負けるなんて……!」
「分かったか。テメェ等如きが俺達に勝てるはずねェんだよ。さぁ、土下座して謝ってもらおうか?」
ニヤニヤと銀時が見る。
「なっ!?なんでテメェなんかに!圧勝ですらねぇし!!」
「謝るのは俺じゃなくてツナに……ツナ達に、だ。それに勝ちは勝ち。負けは負けだ。諦めろ」
銀時は冷たくそう言い放った。
「テメェ等は条件を飲んだんだ。土下座じゃなくても良い。アイツ等に馬鹿にしたこと、謝れ」