銀色×僕SS
□第十九話
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「もっとお姉さんと遊びたかったなぁ」
「まだやり足りねェってか!?無理!銀さんの体がもたないから!!」
反動でただでさえ疲れているというのに、神威は手加減なしに攻撃してくるので、それを回避するのは更に疲れる(一応木刀は使った)。
「今回は引き分けだったから、今度は決着着けに来るよ」
「「来なくて良い!!」」
銀と晋助のツッコむが炸裂する。
あの後、帰るという事で見送りに来ている。神威と阿伏兎はすでに車に乗っていて、神威は窓を開けてニコニコとしゃべっている。
「あ、連勝も、またね。連勝は弱いけど、お姉さんが守りたいものの1つらしいから生かしといてあげるよ」
「えー、何か微妙だな、それ」
「うそうそ。連勝は面白そうだからね。今度は絵の具持ってくるよ」
「その絵具でお前は何をする気?」
あははっと笑う神威に、連勝は悪寒を感じた。
「ったく、もう暴れるんじゃねェよこのスットコドッコイ」
「大変だね〜、あぶたんも〜」
「もう慣れたさ」
「あぶたんも、かむたんもまた遊びに来てね〜」
「「神威は来るな!!」」
「二人してひどいなぁ」
楽しい会話(?)をしてそろそろ帰るときになった。阿伏兎がエンジンをかけた。
「そろそろ帰らないと、五月蠅いハゲと、寂しがり屋の可愛い妹が騒ぐから」
「え、それって――」
「じゃあね〜、お姉さん。また遊びに来るよ」
「「だから来なくて良い!!」」
神威たちが乗った車が走り去っていった。神威がいなくなると静かになった。
「お前等よくあんなのといられたなー?」
「戦闘バカと大食いな所を抜かせばただのガキだ」
「うそだー」
銀時は苦笑した後、ふと気になる事が頭に浮かんだ。
「なぁ、晋。お前なんで今日だって気付いたんだ?」
「携帯弄ってたら今日が満月だって出てきたんだよ」
「……授業中だったよな?」
「はっ。あんなの幼稚園児でもできる」
「出来ねェよ!?つーかちゃんと聞けや!」
「テメェが言うな」
松陽の授業をずっと寝ていた銀は、晋助にいわれ「ごもっともです」としか返せなかった。