銀色×僕SS

□第九話
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「というわけで、今日からここに住む天狼聖 銀です」

「……銀のSSの陽雷 晋助」

「よろしくお願いします」

銀がニコリと微笑むと、野ばらが「メニアック!」と叫んだ。

因みに妖館(あやかしかん)に住む全員が集まっている。

「久しぶりだね〜、晋たんに銀たん♪」

「久しぶりだが、その呼び方は相変わらずだなァ」

「晋たんも相変わらずおチビさんだね〜」

「チビ言うな」

 何気に晋助と残夏は仲が良いんだな、と凜々蝶は思った。

性格が真逆の二人が仲が良いとはほとんどの人が想像つかないだろう。

「……よろしく。これ、あげる」

「えっと、髏々宮 カルタ、だっけ?」

 カルタはスナック菓子を差し出しながら、こくりと頷く。

「……これから一緒に住むから。私とも、仲良くしてほしい」

「え、えぇ。よ、よろしくね。……っと、もらっていい、のかな?」

 カルタは再び頷く。銀は笑顔で礼を言って1つもらい、口の中に入れる。

「そう言えばさぁ、よく両親許してくれたな」

「ん?(ゴクンッ)父上の事?」

「あ、父上って呼ぶようになったんだ」

 前は「父さん」「母さん」と呼んでいたのだが、松陽が「父上」か「お父様」と呼んでほしいとの要望で、「父上」と呼ぶようになり、玲菜(銀の母)も統一しようという事で「父上」「母上」になった。

「あー、それが『自分の道は自分で決めなさい』っていわれたからきたんだけど」

「けど?」



「……なんかめっちゃ泣きそうだった」


「………やっぱり?」

「銀たんのお父さんって、親馬鹿だもんね〜」

 松陽の親馬鹿さが分かる人達は苦笑し、銀だけは、あの松陽の顔を思い出し、罪悪感が少し残った。

「銀姉はこれからここに住むんだよな?」

「そうだけど……。あ、何、卍里。もしかして嬉しいのー?」

「ばっ、そんなわけ///」

「(ボソッ)赤くなりやがって。ぜってぇいじめてやる」

「ヒィッ!」

「晋ー、止めましょうね?良い子だから」

「……わかった」

 晋助が銀のいう事を素直に聞いたので、卍里はホッとした。

「ねぇねぇ。あたし、雪小路 野ばらっていうの。銀ちゃんって呼んでいいかしら?」

 そう言われ、銀は頷く。

「うふっ。ちょっとでいいからその太ももの間に――――」

「銀に変な事言うな!」

「何よ、男は引っ込んでなさいよ」

 晋助と野ばらが睨み合う。

「カルタちゃんや凜々蝶ちゃんや銀ちゃんみたいな可愛い女の子だったら好きだけど、アンタみたいなただの男なんて、あたし興味ないから」

「奇遇だなァ。俺もテメェみたいな女には興味ねェ」

「ちょっと晋!それ雪小路に失礼でしょ!?」

「銀ちゃん、アタシの事は野ばらって呼んでいいのよ?」

「えっと……じゃあ野ばら?」

 野ばらは目を輝かせ、嬉しそうに頷く。

「じゃあ銀ちゃん、一緒にお茶でも―――」

「させるか!」

「引っ込んでなさいって言ってるでしょ」

 野ばらは瞬時に白い着物のような姿に変えた。

周りがとても寒くなる。

「うわっ!?」

「そこでアンタなんて凍ってればいいのよ」

 ひゅうっと吹雪が起こった。

晋助の身体が少し凍った。

「へぇ〜、野ばらって雪女の先祖がえりなんだ」

「そうだけどって、そんな事言ってる場合じゃなくね?あれ、止めなくていいの?」

「いーのいーの、晋だから」

「えー……」
  
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