銀色×僕SS

□第七話
1ページ/4ページ





医務室について、少年をベットに寝かせると、銀は椅子に座り、後のメンバーは立ったままじっと少年を見た。

因みに不良たちは教室に行くように指示した。

「……なーんかコイツの顔、知ってるような気がするんだよなァ……」

 銀が覗き込んでいると、小太郎が「近い」と言ってはなれさせた。

「そういえば銀。何でこっちに戻って来たんだー?」

「……仲間さがし?」

「なんで疑問形ー?」

 晋助がハァとため息をついた。

「たまに銀は変な事言いだすなァ。なんかチャイナ服の少女と、メガネの少年とか探しに来たって言ってたし。あとは長髪ともじゃもじゃ頭の「晋!」何だよ」

 止めたがもうすでに遅かった。

小太郎がニヤニヤして銀を見ていた。

「そうか。俺を探していたのかー。そうかそうか。まったく素直じゃないなー」

「……うっせ」

 銀はそっぽを向いた。

「チャイナ服と眼鏡というのはリーダと新八君なのだろう?」

「……悪いかよ」

 小太郎はフッと笑った。

「悪いなんて言わないさ。家族を探すのは当たり前だろう?」

 銀の頭を小太郎が撫でた。

「見つかると良いな」

「………あぁ」

「…………時に銀」

 小太郎は少し考えた後口を開く。

「あの人―――――松陽先生とは会ったか?」

 銀は「あー」と言って、本当の事を言うべきか言わないべきか迷っていた。


「松陽?それって銀の父親じゃなかったか?」

「あ」

 小太郎の顔が固まり、やがて




「な、何ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!?!?」




 と叫んだ。

「うっせえよヅラ。コイツ起きたらどうすんだよ」

「銀!先生が父親だと言うのは本当か!まだ生きてらっしゃるのか!」

「勝手に殺すなよ。っていうかテメェ銀の父親知ってんのか?」

「知ってるも何も……」

 『自分たちの師』と言っても晋助には記憶がないため無駄だと思いだし、止めた。

「天狼聖 松陽。俺の父上。……だが記憶はないぞ」

「……それでもあの人が生きてくれるだけでそれで良い。……会わせてはもらえぬか?」

「良いぜ別に」

 銀と小太郎で松陽の事について色々と言っていると、意味が解ってない晋助はふてくされていた。

「アイツばっかり……。銀も嬉しそうだし」

「まぁまぁ落ち着けってー」

 連勝が慰めていると、少年がうっすらと目を開けた。

「およ?目が覚めたざよ」

 銀たちは少年を見た。

すると少年は小さい声で「ここは?」と言った。

「此処は医務室。大丈夫?」

 銀がニコリと微笑むと、少年は少し驚いたようにこくりと頷く。

「あ、あの……ありがとう、ございました」

「良いよ別に。今度から気を付ける事ね」

 少年は少し困ったような顔をして、銀をじーっと見ていた。

「えっとー……何かついてる?」

「あの、会った事ありませんか?」

 銀もどこかで見たことがある顔だとは思っていた。

この世界なのか、はたまた前の世界なのか、思い出せない。

「……私もそんな気はしてたんだけど……」

「本当ですか!?」

 少年の顔がパァァァっと輝いた。

そこで一瞬引っかかった。

あれ?これって……。

「……ヅラ、この子知ってる?」

「ヅラじゃない桂だ。うーむ……。見た事ないとは思うが……」

「そっかー……」

 銀はうーんと考え出した。

 聞いてくれない晋助と辰馬は少しいじける。

それを見た連勝は「あらー」と言っていた。

「銀意外とひどーい」

「何が?っていうか連勝は知らないの?」

「俺ー?知らないよー」

 やはり自分たちには聞いてくれないといじけてた二人はさらにいじける。

「どーせ俺なんて……」

「わしらなんて銀にとっちゃあ……」

「?何いじけてんだアイツ等?」

「いや気付いてあげようよそこー」

 銀はキョトンとする。

流石鈍感な銀である。
「まあいっか。君、名前は?」

 少年は少し考えてから答えた。


















「晴太……。天霧 晴太」




    
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ