銀色×僕SS

□第四話
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 此処は『メゾン・ド・章樫(あやかし)』。

 通称、妖館(あやかしかん)。

 表向きは超高級ホテル。

 だが本当は先祖がえり達が住む館。

 今は1〜4号室の部屋が埋まり、SS(シークレットサービス)と住人や使用人たちが住んでいる。

 因みに使用人たちも先祖がえりである(マスター的人の子供以外)。

「何かそう言えば今日5号室に住人が増えるんだって〜!」

 残夏が嬉しそうに報告しに来た。

「住人?SSは?」

「それがねー。な・ん・と!どっちも入ることになったんだよー!」

「男なら興味ないわ」

「住人の方は女の子だって。しかも高・校・生〜!」

「なんですって!」

 野ばらからは花が飛び散り、自分の世界に入りきってしまった。

「お友達になれたらいいな……」

 カルタがお菓子を食べながら言った。

「凜々蝶様も仲良くなれたらいいですね」

「ふんっ。僕は興味ない」

 と言いつつも仲良くなりたいと思う凜々蝶。

「あ、そーいやあ今日転校生が二人来るらしいぞー?」

 朝食を食べながら連勝は言った。

「俺のクラスに一人、お前等のクラスに一人だったと思うけど?」

「俺らのクラスに?」

「あぁ。確か俺らの方が女子で、一年が男子だったっけー?」

 連勝が最後の一口を食べると、カバンを持って軽く手を挙げた。

「あ、じゃあ俺行くから」

 そう言って連勝は一足早く出て行った。

 その後にはカルタと卍里が。

 そして最後に双熾の車で、凜々蝶が学校へと向かって行った。

 凜々蝶は車から出ると、何やら視線を感じた。

 だが、その方向を見ても誰もいなかった。

 双熾が学校へ行くように言ったので、凜々蝶はしぶしぶ行くことにした。

 それを笑顔で見送った双熾はくるりと向きを変えた。


「そこにいる方、出て来てはどうですか?」


 双熾がそう言うが、返事はない。

「……仕方ありませんね。では力づくで―――」




「あー、わかったわかった」



 そう言って出て来たのは二人。


 その姿を見た双熾は眼を見開く。

「あ、貴女方は―――――!」



 出て来たうちの一人はニコリと、もう一人はニヤリと笑った。
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