姫君のかぶき町探索!

□第2章
1ページ/4ページ



「駄菓子屋、神楽ちゃんが教えてくれたんですよ」

 そよは店内に入っていくと酢昆布を選んできた。

「酢昆布!」

 そよが赤い箱―――酢昆布を舞華に見せた。

 一時期、そよが酢昆布を食べていた事から起こった『酢昆布ブーム』。

 その時に茂々と舞華も食べたのだが、茂々はあまりの酸っぱさにもう食べないと誓ったのだ。しかし、舞華は「そよが美味しいと言うものは全て美味しい!」という理念のもと美味しく食べられるまでになった。

「実際に入るのは初めてだな…」

 舞華は興味深そうに店内を見て回る。が、急に止まった。

「姫様、何かお気に召す者でもありましたか?」

 土方が寄ってきて問う。

「え?あぁ、いや…」

 土方の声にハッとして舞華は笑った。土方が怪訝そうな表情をする。

 舞華はそれを見て苦笑すると、並んでいる品物のうちひとつを手に取った。

 舞華の手には小さな小瓶が握られていた。

「…金平糖、ですか……?」

「そう。綺麗だな、って思って…」

 舞華はニッコリと笑う。

 カラフルな金平糖が、舞華が小瓶を小さく降るたびに瓶の中で転がる。

「お買いになられますか?」

「…そうね。じゃあ、買ってくるわ」

 舞華は瓶を持ってレジ(?)へ向かった。

 そよの酢昆布も合わせて会計を済ませると、再び外へ出る。

「さて、次は何処に行きましょうか」

「そうですねぇ〜……」

 舞華とそよは楽しそうに歩いていった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ