姫君のかぶき町探索!
□第2章
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「駄菓子屋、神楽ちゃんが教えてくれたんですよ」
そよは店内に入っていくと酢昆布を選んできた。
「酢昆布!」
そよが赤い箱―――酢昆布を舞華に見せた。
一時期、そよが酢昆布を食べていた事から起こった『酢昆布ブーム』。
その時に茂々と舞華も食べたのだが、茂々はあまりの酸っぱさにもう食べないと誓ったのだ。しかし、舞華は「そよが美味しいと言うものは全て美味しい!」という理念のもと美味しく食べられるまでになった。
「実際に入るのは初めてだな…」
舞華は興味深そうに店内を見て回る。が、急に止まった。
「姫様、何かお気に召す者でもありましたか?」
土方が寄ってきて問う。
「え?あぁ、いや…」
土方の声にハッとして舞華は笑った。土方が怪訝そうな表情をする。
舞華はそれを見て苦笑すると、並んでいる品物のうちひとつを手に取った。
舞華の手には小さな小瓶が握られていた。
「…金平糖、ですか……?」
「そう。綺麗だな、って思って…」
舞華はニッコリと笑う。
カラフルな金平糖が、舞華が小瓶を小さく降るたびに瓶の中で転がる。
「お買いになられますか?」
「…そうね。じゃあ、買ってくるわ」
舞華は瓶を持ってレジ(?)へ向かった。
そよの酢昆布も合わせて会計を済ませると、再び外へ出る。
「さて、次は何処に行きましょうか」
「そうですねぇ〜……」
舞華とそよは楽しそうに歩いていった。