気づいた時には……
□二話 知らせ
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後期攘夷戦争で英雄となり、過激派から穏健派に変わった攘夷志士『狂乱の貴公子』こと、桂 小太郎は自分の部屋で静かにお茶を飲んでいた。
横には白い生物(の被り物を被ったオッサン)、エリザベスが同じく座っていた。
「エリザベス、攘夷活動をするのも大切だが、こういう事も大切なのだぞ」
小太郎は静かにそう言うが、エリザベスは何も答えない。
「静かに茶を飲み、心を落ち着かせる。
するとどんな時にでも冷静な判断が取れる準備ができるのだ。
安らぎが得られ、リラックスができる。
武士たる者、どんな状況でも取り乱しては――――」
「桂さん!!」
「うぉぉぉぉ!?!?」
≪平常心何処にいったんですか?≫
いきなり部下に呼ばれた桂は驚いて湯呑を落としてしまった。
エリザベスは呆れた様子 (なのかは定かではないが、言葉からしてそうだと思われる)でボードでつっこんだ。
「いきなり声をかけるでない!驚いて茶をこぼしてしまったではないか!」
部下は「す、すいません!」と慌てて謝った。
「まったく……。で?そんなに急いでどうした?」
小太郎は布巾でこぼしたお茶を拭きながら訊く。
部下は「そうでした!」と言って焦り始めた。
「た、大変なんです!さ、最近辻斬りが起きているんです!」
「それがどうしたというのだ?」
小太郎たちにとって辻斬りなど対して気にしないし、気にならない。
それをいちいち部下が報告してきたのだから、小太郎はどうでも良い情報として聞き流すことにした。
……のだが。
「その犯人は
『白夜叉』らしいんです!」
「なっ!?」
小太郎の手が止まった。
今しっかりと『白夜叉』という単語が聞こえた。
「……それは銀時がやっているという事か?」
「……お、おそらく……」
小太郎は少し考えて、スクッと立った。
「…………確かめに行かねばな」
「少し出かけてくる」と小太郎は言って部屋から出た。
そして編笠を被り、アジトから出た。
それからまず万事屋に行くことにした。