君との物語

□えぴそーどY
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「ま、まって皆ぁ!」


叶子が急いで間に入った。

「もう、止めようよぉ。これ以上喧嘩しないでぇ?」

「でもこれじゃあ叶子が疑われっぱなしだぜ?」

「私は良いよぉ。だから、教室戻ろう?」

叶子に頼まれ、しぶしぶ二人は頷いた。

「じゃあな。いい気になんなよ、沢田」

「テメェ等こそ浮かれてんじゃねーぞ、食べ物家族」

「誰が食べ物家族だ!!」

銀時にからかわれながらも、三人は出て行った。




「うわー、マジ嫌だわ。ねぇツナ、ちょっと俺ひあの変な香水の臭いとかついてない?……ツナ?おーい、つーなーよーしーくーん?」

 ぼーっとしている綱吉の前で手をひらひらとさせると、ハッと気づいた。

「あ、銀さん……?」

「うん、銀さんだよ。どうした?」

「あ、えっと……」

綱吉が口ごもっていると、銀時が察したのか「あー」と言って頭をかいた。

「まぁ気にすんな。俺はボンゴレの部下ってことになってるが、んなもんじゃねェから」

「え、でも獄寺君が―――」

「さぁ、昼飯終ったとこだし、教室戻るかー。チャイムももうすぐなるしな」

「……うん」

ツナは気になったが、聞ける感じではなかったので聞かなかった。

弁当を持って屋上から出た。


「そう言えば銀さん。何でボイスレコーダーなんて仕掛けてたんですか?」

「あー、アレ嘘」

「へ?う、嘘!?」

銀時はツナの声が大きいと思ったのか、口元に人差し指をたてて「声がでかい」と言った。

綱吉は慌てて口を押え、声のボリュームを落とした。

「え、じゃあとってないってことですか?」

「そういうことさ。って言うかツナ、敬語」

つい敬語になっていたのを気がつき、あ、と言った。

「授業かったるいし、教師にダメだししようと思って使おうと思ってた奴だったからな。まさかこんなトコで役に立つとは」

「ダメだしって……。また先生に言われるよ?」

「ダメな部分を直さねーと人間成長しねーんだよ。それにあるだろ?なんか教師が集まるって授業見たりするやつ。先生達の授業参観みたいなあれ。あんな感じよ」

今は教師じゃないでしょ、と突っ込みたかったが、聞かれると今はまずいので言わないでおいた。


「かまかけたらすぐ引っかかるし、これはいけると思ったら出来た訳よ」

「もし、失敗したら?」

「それはねェよ。アイツはどうやら隠しがってたし、知られるのを恐れてる。だからアイツが受け入れる可能性は99%ねェよ」

「残りの1%は?」

「もし見抜かれてたら、ってことだが。もしその1%だったら、俺から引き下がるね」


どちらのパターンも考えてあったらしい。あの一瞬でそこまで頭が回っていたとは驚きである。勉強もできたり、教え方もうまい所からして、頭の回転率は良いのだろう。

「あ、そういやあ次体育じゃなかったか?」

「そうだった!急いで着替えなきゃ!」

「行くぞツナ!!」


二人は仲良く教室に向かって走っていった。


 えぴそーどY 
銀色は味方か、はたまた敵か
 完


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