気づいた時には……

□一話 殺人『鬼』
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 そして土方も、山崎がいない分自分でその分を埋めなければいけないので、寝る間も惜しんで白夜叉の居場所を探している。

 と言うのにいつも「今日は寝よう」と言う日に限って通報が入る。

 そのため頭が働かなくなり、そんな自分にも腹が立ち、いつも以上にピリピリしていた。

「白夜叉の野郎……。俺の睡眠時間返せマジで。何なんだよ俺に対する苛めか?またドS心発揮ってか?ふざけんなよ。こちとらただでさえ最近寝不足だっつーのに、今日こそは寝ようと思った時に……!貴重な睡眠時間なんだよ。っつーか何時になったら俺は睡眠をとれんだよもう仮眠でも良いから30分でも良いから寝かせろや!」

「土方さん夜中に騒がないでくだせェ。と言うか寝るならいっそ、永遠の眠りについて下せェ。……ふぁぁぁぁ」

「んだと!誰が死ぬか!それとあくびすんなって言ってんだろーがァァァァァ!」

 つっこむ土方に「静かにして下せェ」と沖田が言い、土方は「お前の所為だ」と言おうとしたがもはやそんな気力は残っていなかった。

「はぁぁぁぁぁ。今日も何も証拠は掴めず、か……。帰って寝るか」

「そうしやしょう。じゃねぇと体がもちやせん」

 と遺体を運ばせて、一通り調べ終わった真選組一行は屯所に帰って寝直す事にした。

 もちろん次の日も土方を含めた真選組の隊士たちは寝不足となり、更に土方の悩みの種が増えたのだった。





 真選組はまだ気づかない


 自分たちの犯した罪を




 その罪を知ることができないならば

 隊士たちは死んでしまう




 何故なら鬼の仲間が

 鬼を傷つける事を許さないから







 鬼を信じず

 恐れ

 裏切り

 嫌うのならば




 鬼が

 その仲間たちが










 粛清しに来るから








 だから

 早く

 もっと早く気付いていたら


 事態は

 悪化しなかった



 早く

 誰でも良いから
 
 鬼の心に





 光を当てて

 闇を晴らして



 誰か


 早く手を

 差し伸べてあげて



 まだ

 間に合うかもしれないのだから





一話 殺人『鬼』 (完)




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