気づいた時には……
□解説&序章
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序章
なんで?なんで誰も信じてくれねェんだよ。
「万事屋……いや、白夜叉。殺害の罪で逮捕する!」
殺害……?俺そんなのしてない……!
「銀ちゃん最低アル。この鬼が」
神楽!なんで鬼なんて言うんだよ!俺は……。
「失望したぜ、白夜叉」
おい、近藤!何でそんなふうに呼ぶんだよ!
「俺達をだました罪は重いですよ?屍を喰らう鬼さん?」
なんで山崎が昔の俺の事知ってんだよ!だましたって何のことだよ!
「家族だと思ってたんですけどね。もう僕はこんな鬼とは一緒にいたくありません」
新八!俺だって家族だって……!なんで一緒にいたくねぇんだよ!
「旦那、なんて呼ぶ価値はもうないな。おい、白夜叉。早くきなせぇ」
沖田君、何でそんな冷たい目で俺を見るんだよ!
「大事な弟を殺されなくて良かったわ。まさか近くに殺人犯の鬼がいるなんて」
妙……。俺は新八を殺そうなんて考えてねぇよ?
なぁ皆冗談なんだよな?何かのドッキリ何だろ?俺をだまそうって魂胆なんだろ?なぁ!教えてくれよ!
「神楽……」
「近づくなヨ、鬼が。私の仲間には指一本触れさせないネ」
なぁどうして俺をそんな目で見るんだよ。いつもみてぇにふざけて笑って、喧嘩して、グータラして……。なんで敵を見るような目で見んだよ!
「あぶねぇからお前らは離れなせェ」
危ない?何が?俺が?どうして……?
沖田君がゆっくりと口を開く。
「だって」
いやだ。聞きたくない。
「テメェは」
言うな。止めろ。
「鬼なんだろィ?」
あぁ。聞いてしまった。言われてしまった。俺が『鬼』だと。
心の奥に封印したモノが……。
「化け物」
「鬼」
「人間じゃない」
お………俺は人間、なんだ……よ。そんな事、言うなよ……!
「こっちによるな!」
皆、何で信じてくれねェんだよ。俺なんかしたか?俺が家賃払わねェからか?俺がぷー太郎だからか?俺が
――――――鬼だからか?