†長編書†
□-宿命- 八章 「明かされる力」
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_______名無しさん達は気絶したままのフェイタンを背負い、アジトへ向かっていた。
「それにしても名無しさんは凄い能力使うんだね」
マチは心底関心したように一人で頷く。
フィンクスは話についていけない様子。
「能力??何それ。」
マチは、飲みかけたコーヒーを全て噴き出した。
「な、何それってもしかして覚えてないの!?」
フィンクスの持っていたハンカチで自分の服を拭きながら問う。
名無しさんは、無邪気に頷くだけだった...
*
そしてアジトが見え始めたころ。
フェイタンは目を覚ました。
「ん...何処ねここ...」
フィンクスに担がれているフェイタンは、目をこすりながら空を見上げる。
「お、気づいたかフェイタn」
「降ろすね!!ワタシ子供じゃ無いよ!!!」
何故かキレるフェイタン。
それに、子供だなんて一言も言って無い。
「お、落ちつけフェイ!!」
フィンクスは暴れるフェイタンをどうにか押さえているが、少々無理があるように見える。
「フェイタン、おはよう」
名無しさんは笑顔でフェイタンに話しかけた。
フェイタンは一瞬オーラ量が増幅したが、すぐに警戒を解いた。
「おいフェイ。こいつは本物だ。」
フェイタンは無言で頷くと、フィンクスから降りた。
「おはようね、名無しさん。」
フェイタンはマスクで顔を隠しながら返事した。
それにフィンクスは反応し、フェイタンを冷やかす。
「なんだよフェイ。恥ずかしいのか?照れてんのか?ハハハッww」
スパコンッ!!
フィンクスの頭に、フェイタンの赤い傘がクリティカルヒット。
フェイタンは横たわったフィンクスを担いでアジトへ向かった。
立場逆転。