†長編書†

□-宿命- 八章 「明かされる力」
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フェイタン達はひたすらアジトへ歩いていった。

そしてアジトが見えたその時。


「名無しさんーーっっっっ!!!!!」


ズドドドドド...という地響きと共にこちらへ向かってくる男二人。

黒髪を強力なワックスでオールバックにしている男。
それに続いて童顔のわりに体ががっしりしている男。

名無しさんは二人を見て叫んだ。


「ただいまクロロ!!シャル!!」


ニコニコしながら手を振る名無しさんを影から愛しそうに見つめるフェイタン。

この時の表情は、誰よりも穏やかだった。


「大丈夫だった!?怪我はない!?」

シャルナークはベタベタ体を触って確かめる。
クロロはシャルナークの手をはじいて名無しさんに向き直った。


「よくやったな名無しさん。だが、これは蜘蛛として当然のこと。出来て当たり前だから心配はしなかった。」

クロロは格好つけて頭を撫でるが、シャルナークが余計な事を言った。

「嘘はいけないよ団長。あんだけ名無しさんの事心配してたくせに〜。こーんな感じで」

クロロのマネをするシャルナーク。
その動作はあまりにも大袈裟すぎるモノだった。

クロロは顔を赤くしながら否定するが、それが逆効果になった。

「ま、いいじゃん。月の命も手に入った事だし、今日は飲もう!!」

今日は何故かノリ気のマチ。
普段はイヤイヤ参加しているものの、今回は名無しさんが一緒だという事で楽しそうなのだろう。


「よーし。戻って宴会の準備だ!!」


気絶したフィンクスの件には一切触れず、アジトに戻って宴会の準備を開始したのだった。
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