短い夢

□おそろい
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「はっじめくーん♪」
私は
上機嫌に彼の部屋の障子を
勢いよく空けた
…さすが一君
文机に向かって書類をかたづけていた
真面目だなぁ
私も少しは見習わないと
「……なんだ」
一君はそっけなく
眉を歪ませながら
こちらをじっと見る
……否
睨まれてる?
まぁいいや
私は彼の睨みを綺麗に流して
本題へ入る
「見てみて」
「??」
私の発言に
全くもって理解できないという風 に首をかしげる一君
気付いてない?
仕方ないから言ってみた
「一君と、おそろい」
「っ!」
私の言葉に一瞬目を見開いて
顔をそらした一君
顔は見えない
でも耳まで赤くなっているのが 分った
私の眼力を舐めてもらっちゃ困ります
「はっじめくーん♪
どうしたの?」
「名無しさん…」
「なぁに?」
「…逆だ」
顔を赤くしながらも
冷静にツッコミをいれる一君

「えぇぇぇぇぇ!?」
よく見比べると
確かに逆だった…
「あっ本当だ」
慌てて結い直そうとする私
「待て 、俺が結い直そう」

「えっ…
一君が結い直してくれるの?」

突然の彼からの提案
大好きな人に
髪を結ってもらえるなんて
「あぁ
嫌ならやめるが?」
「嫌じゃないよ!!」
嫌な訳がない
「なら座れ」
そう言って自分の前に
座布団を 置いてくれた彼
「うん♪」
大人しく座る私
「では解くぞ?」
私の髪紐を外した一君
一つ一つの動作が丁寧で
ドキドキする
「終わったぞ」
「へっ…もう?」
いつの間にか
髪を結い終わっていたみたい

「名無しさん、顔が赤いみたいだが…風邪か?」
「風邪じゃないよ!!
ただ…恥ずかしくて…あっ!?」
口が滑った…
「恥ずかしい?」
「えっと…いや…ねぇ」
「まぁいい
あんたの髪は柔らかかった
それにいい香がした
…褒められてる?
「ありがとう?」
「抱きしめたいと思った」

「えっ…」

「俺のものにしたいと思った」
「一君?」
「名無しさん… 好きだ…」
嘘…一君が私が好き?
「一君、本当?」
「嘘をついてなんになる」
だって私…
いつも一君だけをみてて…
ずっと好きで…
「嬉しい///」
嬉しすぎて涙か溢れてきた
「名無しさん絶対に幸せにしてやる」
「ありがとう///」

終わり

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