黒バス夢Book
□トモダチごっこ。
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昼休み。
森山に連れられ、半ば無理矢理屋上に来た。
「…誰もいないじゃん」
屋上にいるのは私と森山だけ。
「まぁ待てって、もうすぐ来るよ」
………
……………
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待てど暮らせど、とはこの事だうか。
一向にくる気配のない扉を眺めそんな事を考えていると
「嫌だ!やめろ!別にいいって言ってんだろ!?俺は別に女嫌い治らなくても生きていけるんだッ!」
という叫び声が聞こえてきて、それは次第に大きくなっていき…
「お、来た来た」という森山の言葉と同時に扉が勢いよく開けられたと思うと、そこには長身の男子5人がぞろぞろと入ってきた。
最後まで入るのを渋っている、1番背の低い彼がきっと笠松くんというのだろう。
背の低い、と言っても私よりは確実に大きいが。
「お待たせ、森山」
と声を上げるのは、1年のとき同じクラスだった小堀くん。
席が近くなるのが多かったのを覚えている。
「笠松センパイがなかなか行くって言ってくれなかったんで連れてきたっス!」
「うっせーな!俺はいいって言っただろ!」
「俺、応援してますか(ら)!」
と、先輩をジト目で見ながらも楽しそうに話す金髪の子に、早口な上に滑舌悪くて何を言っているのかわからない子。
そしてそれをみて呆れ顔の眼鏡の子。
先輩呼びとか敬語とか使ってる所をみると、恐らくバスケ部の部員なのだろう。
「さ、本題に入るぞ」
と、森山の一言に全員が森山を見る。
「今回、君達に集まってもらった理由は他でもない!」
…そんな大事みたいに言わなくても………
「笠松に女嫌いを克服してもらう」
言うと森山は私の肩を持ち、皆の前に立たせた。
…ってか、みんな背高っ!
圧倒されつつも「どうも…」と軽く会釈をしておく。
続いて金髪の子が笠松くんの背中を押す。
半ば向かい合う形になった私達。
だけどその視線は合う事はなく、笠松くんはひたすら目を泳がせていた。
大丈夫なのかな、この人…