黒バス夢Book
□支えに。
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「皆さん、時間です!モップ掛けはやっておきますので、そろそろ撤退してください」
笹原の声に時計をみると針は9時を差していた。
ぞろぞろと、自主練をしていた部員が更衣室へ移動する。
そして笹原は早急にモップをとりに倉庫へ向かう。
が、
笹原の様子がおかしい。
いつも笹原は、颯爽と歩く。
忙しいというのもあるかもしれないが、俺より小さい歩幅なはずなのに追いつくには少し駆けないといけないくらいだ。
その笹原が、今はいつもよりゆっくり歩いている。
足元も覚束ないようにも見える。
「…笹原?具合でも悪いのか?」
堪らず問いかけると、ハッとしたように笹原は振り返り
「いえ、何でもありません!…ちょっと考え事しちゃってて…」
と言って、笑った。
…とてもぎこちない笑顔で。