黒バス夢Book
□ふたつのかお。
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「千晶…その、すまん」
と、順平くんが私に頭を下げる。
「えと…何が?」
その趣旨がよく分からず尋ねると、
「いや…急に、悪かった」
そう言って私の頭をぎこちなく抱き寄せる順平くんに、さっきの面影はなく、二重人格とは彼の為にある言葉だと思った。
「…俺の事、嫌いになったか?」
バツの悪そうな顔をして言う順平くん。
私は、順平くんの唇にキスをした。
普段の順平くんも、勝負所に入った順平くんも、私はどっちも好きだよ。
そんな想いを込めて、言葉の代わりに。
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