黒バス夢Book

□分からない。
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「笠松せんぱーい!」

ぎゅっ、と俺に抱きついてくる奴、笹原。

この部のマネージャーであり、唯一の女子。


俺はどうも女子が苦手で上手く接する事が出来ていないのだが、どういう訳か笹原は俺に懐いている。



「…くっつくな」
「いいじゃないですか〜」



別に、この状況が嫌なわけではない。
が、いろいろとマズい。

こいつは部活中いつも、他の部員に混じるかのように、何故か体操着に着替える。
今日はTシャツだが。

笹原はその…なかなか、胸があるから…

つまり、抱きつかれると…感触が……


それに、女子特有のにおいとか…とにかくいろいろヤバいんだ!






「時間だ…離れろ」

出来るだけ冷静に言うと、

「…はーい」

と、いつも思いの外あっさり離れる。




そして休憩中、

「笠松先輩、タオルとスポドリです!」

と、真っ先に俺に差し出してくる。


笹原は上下関係をはっきりさせる奴だ。

1・2・3軍関係なく、3年生から2年、最後に1年、というように区分している。

だから、当然と言えば当然だが。

「さんきゅ、」
と短く言って、ベンチに座る。




笹原は全員に配り終えると、俺の所へ戻ってきた。

何も言わず、至極当然っといった顔で俺の足に抱きつく。



「だからなんで…、ッ!?」

俺んとこ来るんだよ、と言おうとして笹原を見下ろすと、Tシャツから…少し見えている。


「な、なんでもいいから離れろ!!」
「え〜…嫌ですー。」

何が嫌なんだよ…
こいつの行動は理解出来ない。



…まぁ、練習の邪魔だけは絶対にしないし、戯れていい時とそうでない時とをしっかり弁えてはいるから構わない…が。




他にも部員はいるのに何で俺なんだ、とは思う。


ちら、と笹原の顔を見ると目が合う。

にこっ、と満面の笑みで返され、



本当なんつーか…



調子狂う。
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