黒バス夢Book
□文化祭の後に。
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「…買出し、これで終わりかな?」
文化祭。
いよいよ陽泉高校文化祭も、残り3日ほどになった。
私と氷室くん文化祭実行委員は、クラスの出し物の買出しに来ていた。
それもようやく終わり、学校に戻る。
教室に着き、荷物を置く。
「いよいよ大詰めだね。さ、明日提出の紙を書こう。」
と、氷室くんは私の前の席の椅子を反転させ、私と向かい合うように座る。
私は用紙を取り出し、書き込み欄を埋めていく。
…ふと目の前にいる氷室くんを見つめる。
1年生の時、初めて隣の席になって。
それから次第に惹かれていったけど、進展はないまま、2年になってしまった。
そんな憧れの氷室くんが今、私の目の前にいる。
先生に文化祭実行委員に指名された時は正直嫌だったけど、後に氷室くんと一緒と聞いて、先生には感謝している。
そして、この時がずっと続けばいいのに。そう思っている自分がいた。
そうして暫く見惚れていたら、私の手が止まった事を不審に思ったのか氷室くんが顔を上げた。
瞬間、ぶつかる視線。
すると氷室くんは、ニコッと微笑み
「文化祭、楽しみだね」
と言った。
文化祭、氷室くんと回れたらな、そんな淡い期待を抱いた。