黒バス夢Book
□誰と?
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帝光中学校体育館。
時計は練習の終わりを告げていた。
ということは…今日も、そろそろ始まる頃だ。
「千晶と帰んのは俺だ」
「何を言っているのだよ、千晶と帰るのはこの俺だ。」
「千晶ちんとお菓子食べながら帰りたいし〜」
「嫌っス!千晶っちと帰るのは俺っス!俺っスよ〜!」
困ったなぁ…
最近練習が終わった後、必ずキセキの世代達は「誰が私と帰るか」で議論…それも、最早取っ組み合いの勢いで、だ。
ちら、と私は言い争いには参加しない、主将の赤司くんに助けを求める。
「赤司くん、皆を止めて?」
すると赤司くんは、私を見向きもせず、キセキ達に歩み寄り衝撃的な一言を発した。
「千晶と帰るのは、この僕だよ。」
え!?
「赤司っちの意見でも、それだけは従えないっス!」
「俺と帰るっつってんだろーが」
と、かえって火に油を注ぐ結果になってしまった。
もう、こうなったら…
黒子くんと桃井さんに…
「ってあれ?2人は?」
辺りを見回しても、2人の姿が見えない。
「あぁ、2人なら先に帰らせたよ。」
と赤司くん。
こっそりウィンクを飛ばしてくるけど、策士だなぁ、としか思えなかった。
「さぁ、千晶。誰と帰るか決めるのだよ。」
うぅ…
キセキ達の顔を、一人一人みていく。
皆試合の時と同じくらい真剣な顔だから、ドキドキしてしまう。
選べるわけない。
うーん、と考えを巡らせていると、ひとつの答えが頭の中を駆け巡った。
「皆と帰るっていうのh」
「「それはなし/だ/っス/なのだよ/だし〜」」
全員、息ぴったり…
結局、顧問に早く帰れ!と怒鳴られ、強制的に外に出されるまでこの言い争いは続いたのであった。
「笹原さん、結局誰と帰ったんでしょうかね?」
「さ、さぁ…どうだろうね」
「あ、ちょっと寄り道しませんか?このゲーセンよく行くんですよ。」
「え?あ、うん!(やった、テツくんとデート…っ♡)」
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