黒バス夢Book

□これから。
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最近千晶に元気がない。
普段から大人しい方だけど、今日は特に。
千晶は俺のベッドに座り、俯いたまま何も喋ろうとしない。





「千晶、何かあるなら話してくれよ」

堪らず問いかけると、千晶はゆっくり顔をあげた。

だけどやっぱりその顔には笑顔はなく、代わりに目には涙が溜まっていた。











「………別れよう…」


俺は千晶の言葉が理解出来ず、黙り込む事しか出来ない。



「桂典くん、やっぱり私と桂典くんとじゃ釣り合わない…」

そう続ける千晶の目からは、ついに涙が溢れた。

俺は千晶に目線を合わせて屈む。


「桂典くんには、バスケがある、目標がある。でも…私には何もない……何も…」




千晶がそんな事を考えていたなんて知らなかった。

だけど。


「そんなの、これから探していけばいいじゃないか。俺はそんな事でお前と釣り合わないなんて思わないし、嫌いにもならない。」


いや、寧ろ嫌いなんてなれない。


「だから、もうそんな事言わないでくれ…」


というと、千晶は俺の胸に勢いよく飛び込んできた。


「佳典くん…、ごめん、ごめんなさい…」



俺の胸で泣きじゃくる千晶を抱き締める。




すると千晶はまたいつもの笑顔に戻ってありがとう、と言った。


「一緒に、探していこう。」


と言って俺は、千晶の頭を撫で、俺たちは笑いあった。












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