[小説]さとみ小説

□店長と私の365日
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ー 出会いー

私は、チラシにあったバイトの募集欄を見て、今店の前にいる。
そう。今日は面接日なのだ。
何のバイトかって?ポピュラーなコンビニのバイトだ。
ドキドキしながら店内に入る。
入っていきなり驚いた。他の店と比べて店内が明るくキレイなのだ。ホコリひとつ落ちてないこの床に足を踏み入れてもいいのか戸惑った。
「っと。お店の人探さなくちゃ」キョロキョロ見回すとそこに彼がいた。
ほうきを振り回し、掃除をしていた。今時のコンビニでは掃除機が一般的なのだが…
視線を感じたのか、彼が立ち上がり振り向く。そして、突っ込んでくる?!
「そがしっ。っていきなりなにをするんですか?!」
イテテ…と言いながら、打ち付けた部位をさすり、立ち上がる。
「いや、敵が攻めてきたのかと思ってな。ついビームサーベルを振り回してしまった。すまない」
なるほど。このコンビニに人が集まらない理由がわかった。
「あのーそれでめんせ」
「合格だ」
「へっ?」
「合格だと言ってる」
「って事はあなたこの店の店長さんなんですか?!」
「そうだが、何か文句でもあるのか?」
「ないですけど…なんでこの店には店長さんしかいないんですか?」
「他のやつらは俺のビームサーベルで斬り捨てた」
謎だ。言ってることがよくわからない…普通に聞くとヤバイ方にしか聞こえない…
「それでお前には明日からここに戦闘員として配属させてもらう。いいな」
「は…はぁ」
適当に流されてしまった…
「これが戦闘服だ。忘れずに着ろ」
「戦闘服って…普通に制服じゃん…」
「ん?なにか言ったか?」
「いっいえ。別に」
謎だ。謎である。
とりあえず、今日は帰ろう。頭が混乱気味だ。私は、危険地帯から脱出した。

ー初日ー
「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ」
いつになく私は、焦っていた。
なぜって?遅刻しそうだからだ。初日から遅刻なんてありえないだろ。とにかくコンビニに駆け込む。「セーフ」
「セーフじゃない。アウトだ。時間がオーバーしてるぞ。」
時計をみる。まだ5分前だ。
「まだ時間じゃないですよ〜」
すると、何らかの表を見ていた店長が振り向き
「5分前行動が普通だ。今度から気をつけたまえよ。ハーハッハッハ」
ムカつく。あのドヤ顔をどうにかしろ。まぁいいや。とりあえず仕事をしなければ。制服に着替えて店に出る。
「えっ…え〜〜?!」
目の前の光景に私は驚いた。
店長が陳列棚に頭を突っ込んでいたのだ。
「ちょっ…おま…」
ツッコミを入れようと近づくと、なんと店長はミリ単位まで気になっていたらしくおにぎりを陳列していただけだった。
突っ立っていると
「ん?なんだ?そうか、仕事が無くちゃダメだな。うーん…どうする?」
こっちに聞くなよ…
「じゃあ…レジ付近やっておきまーす」
「あぁたのむ」
レジに行き、色々整理する。すると、お客さんがやってきた。
「いらっしゃいませー」
そのお客さんは何も見ずに真っ直ぐ店長のもとに歩いていく。
「ヤバイ、お客さんがなんかよくわからないけど店長に斬り捨てられる。」
思わず飛び出し店長の行動を観察する。
「清水、清水。ちっと話があるんだけど」
「なんだよ、面倒なことはやめろよ」
よかった。どうやら知り合いのようだ。
「ひょうのすけ預かってもらえない?」
「はぁ?ダメに決まってんだろ。うちにそんなスペースは無い」
どうやらペットの話のようだ。
「頼むよー。みっつーにも頼んだんだけどみっつーもダメだって言うんだよー」
「ふーん…じゃあ店のスペースを少し分けてやるからそこに置きゃあいいだろ。ったくうるせぇなぁ」
「うーー。さっすが清水。話が早い。」
しかし、ひょうのすけってなんなの
だろうか…
例の店長の友@が車に戻った。
早速持ってくるようだ。
「うっうげぇー。嘘だろ!?」
持ってきた水槽の中には蛇が入っていた。
「清水。どこに置けばいい?」
「えぇっ!?今かよ。もう少したってからかと思った。じゃあ裏に置くから持ってこい」
「わかったー。うー」
えぇ!?ちょっおま…少しまてや。
店の裏から帰ってきた店長が
「置いたから。よろしく。」
よろしく。じゃないよ!
「それともっとキレイに服はたため俺が直しておいた」
えぇー!?それはありなのか?大丈夫なのか?民事訴訟起こすぞ。犯罪ギリギリの行為をした店長。今日はその後には特に何もなかった。たまにくる客の後ろで何回か振りかぶる姿を垣間見たが…

2日目

今日は商品の搬入があった。トラックから人が降りてきて店長と何やら話こんでいる。どうやら友達のようだ。時々、あの店長に笑みが見える。
店長が店に帰ってきた。
「なぁ。これを置こうと思うがどう思う?」
ふと、手に持っているものを見るとなんと“ブリーフ”だった。
「ぷっ。アハハハ。」
私は、思わず吹き出した。
「なんだ?そんなダメか?三岡がいいというから置こうと思ったんだが…」
悪くは無いのだが、なにぶん店長に似合いすぎていた。
その顔を止めろ!
なんかすごく残念そうな顔をしている。
ん?何か言っている。ぶつぶつ言ってて聞こえない。耳をすます。「しょぼん、しゃぼん、しょぼん、しゃぼん…」
なにこの人。そうか、感情が外に出やすい人なんだな。
「しょぼん、しゃぼん、ピジョン、しょぼん、しゃぼん」
ん?何かいま違うものが混じってた気がする。
「店長、今ピジョンって言いました?」
すると、ぱぁっと顔が明るくなった。
「よかった。三岡と考えた新型なんだ」
なんかこんなことをいうのは少し店長に悪いが感情表
現が子供みたいだ。もちろん悪い意味ではない。
てかさっきから出てくる三岡って誰だよ!
だれか説明をしてくれー。
「店長。三岡って誰ですか?」
「ん?あぁ、さっき話してた商品を持ってくるヤツだ。」
ひとつ疑問が解決した。じゃあこの際、疑問をぶつけてみるか。
「じゃあ、昨日蛇を持って来た人は?」
「アイツは、ず氏」
なかなか素直に教えてくれるじゃないですか。
つーかその手に持ってるもんいい加減放せよ!
「まぁとりあえず。試験的に置いてみるか」
ブリーフをびよびよするなー
再び外に歩いていく店長。
三岡さん?と話をし、段ボールを持って来た。
「ここには置けないな。仕方ない。ひょうのすけの隣におくか」
って?え?ぎゃーー。やめてー。心の声が届かず。店長がドアの向こう側にー。
タッチの差で店長が速かった…
ドアの前でつんのめり、倒れる。ゴソゴソ。部屋の中から音が聞こえる。ドアに張り付き様子をうかがう。
バンッ。
「ふぎゃ。」
ドアと壁の間に挟まれた。
「ん?なんだ居たのか。それとまた、服たたんで無かったぞ。置いといたから次こそ気をつけろよ。」
なぜこの人はいろいろと細かいんだろうか。
ドアで負傷した鼻をさすりながら定位置に戻る。
一日が過ぎていった。

3日目

本日の店長による彼の中での機体撃破数6体。
どうやら客を切りつけるのは日常茶飯事のようだった。
本人的には少ないらしい。

4日目

店にでて相変わらずレジにたたずむ。店長のせいで客のリピーターはいない。
来るのはせいぜい店長の友達か新規のお客さんそれによっぽどの物好きしかいなかった。
〜♪
「いらっしゃいませー」
ん?この人は初めてみる。
「店長ーいるー?」
女の人だ。
「なんだお前か…まぁいい好きにしろ」
「わかった。好きにする」
いきなりその人からでた低い男のような声。
なっなんですって?
会話だけ聞いてると相当にヤバイ。てかこの人変態なのか?
「あれー?店長、新人さんが入ったのー?」
さっきは男。今度はアニ声。なんだこの人。
「あぁアイツ?そうだが。その声を止めろって言ってんだろー」
「えぇーいいじゃん別にー。こっちの勝手だろ。」
声の変化が目まぐるしい。
「わぁったよ。いっそのことアイツと話してきたらどうだ?」
「うん!わかった」
スタスタとこちらに歩みよってくる友人A。
「可愛いお嬢ちゃん。君はどこからきたんだい
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