[小説]さとみ小説

□店長と私の365日
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というわけで、店長の着替えを借りに近くのやぎちゃんの家へ。
店長いわく
「あいつならいろいろと持ってるはずだ」
らしい。
やぎちゃんが住んでるマンションのインターホンを押す。
ピンポーン。
返事がない。
えーい!
めっちゃ押しちゃえー
ピンポーン。ピン、ピン、ピン、ピンポーン。
「はーい…」
完全に寝起きの声だ。
「あのね、私。さとみだよ」
「あぁ…さとちゃん。んで何のよう?こんな朝早く…っておいもう12時過ぎてんじゃん」
見事な寝起き一人ツッコミ。
「あのね、店長が頭から水被っちゃって、やぎちゃんなら着替えを持ってるから借りてこいって」
一瞬応答が途絶える。
まさか二度寝に陥ってるんじゃ!
「…わかった。上がって」
よかった。
寝てなかった。
ウィーン…
自動ドアが開く。
それにしてもだいぶ立派なマンションだな…
スゲーなぁ〜
チンッ。
ウィーン…
やぎちゃんの部屋のある階に着いた。
なぜだか一部屋だけいやに騒がしい…
事件か?
ガシャーン!
バリーン!
とにかく陶器が割れる音。
行ってみることにした。
やぎちゃん家だった…
「やぎちゃん!やぎちゃん!大丈夫?」
ドアを叩いていると
ガチャッ。
「大丈夫だから…少し昨日の片付けしてただけだし…そんな生死の境目みたいな騒ぎ方すんなって」
そして再び男装である。
この人は何がしたいのだろうか。
「どうしたの?なにかあったの?」
後ろから女の人の声。
コイツ遂にやらかしたか!
「「あっ!」」
我が目を疑った。
出てきたのは堀越さんだったのだ。
呆然と立ち尽くした。
「早く入って。外もなんだから」
いやいやいや、違うだろ!
なんで堀越さん居るの!
まさかついにフライウェイしちゃったんじゃ!
「キョトンとしてないで早く早く」
腕を引っ張られ、部屋に潜入。
「そこに座ってて。今、服を引っ張り出すから」
とりあえず椅子に座る。
なんだか部屋の中が酒臭い。
昨日、めっちゃ飲んだんだろうな…
堀越さんが窓を開ける。
爽やかな外の風が通り抜ける。
「これでいいかな?」
やぎちゃんが持ってきたのは黒のYシャツに黒のズボンだった。
「プッハハハ」
店長がこれを着たらと考えると面白くなった。
「なんだよ…ダメかな?これ」
やぎちゃんが堀越さんに聞く。
「やぎちゃんが着るぶんにはいいけどあの人が着たら、ねぇ〜」
クスクスと笑う堀越さん。
「じゃあ、白でよかったか」
ゴソゴソ…
「あった〜。ってダメだこれ…」
覗きに行くと第二ボタンと思われるところまでボタンが無いのだ。
「どうしたのこれ?」
困ったような顔をしてやぎちゃんが答える。
「いやね、バイト先で酔っ払った女の子が胸元をやっちゃってね…」
どんな仕事をしてるんだよ!
ゴソゴソ…
「これでいいか。ちゃんとしてるぞ。少しシワがついてるけどまぁいいやな。ほい。」
かくして、店長の着替えを手に入れたさとみは、店長にそれを渡し(投げつけ)仕事を終えました。

―19日目ー
思い返すと、店長と知り合ってからもう3週間が経過しようとしていた。
「結構経ったもんだなぁ…」
そう呟くと、傍らに店長が。
って
えぇー!
この人はエスパーかなんかなんだろうか…
気配がなかった。
「何が経ったんだ?」
「月日ですよ、月日―」
まったく、そのまま聞き流すと危ない言葉になる。
やぎちゃんなら吹き出してるな
「もうそんなに経ったのか?そんなでも無いだろ」
ダメだ、いっぺん違うほうに考えるとそっちにしか聞こえない。
ていうより、汗なんかかくような季節じゃないのに、店長汗だくなんですけど。
「店長ー。汗、すごくないですか?」
「そうなんだ。汗が尋常じゃなくてな…どうやら三岡のダイエットサプリのせいだな」
あれ、ダイエットサプリだったんだ。
代謝をよくするのかな。
真夏みたいなんですけど…
店長は再び、掃除に戻る。
店長…それは吸引力の変わらない唯一つの掃除機です。
ダ○ソン!
あぁヤバイ…
ついに私は、一人ツッコミの境地に達した。
家庭用掃除ロボット
ル○バ!
一人でニヤニヤする。
怪しい…
そのうち店の端っこの方から謎の歌が聞こえてきた。
なんて言ってるんだろう…
近づいてみる。
「散れ、散れ、散れ、チョコ○ール」
おーい!
帰ってこ―い
でもなんだろうか…
めっさおもろいwww
ハマった
今度、やぎちゃんにでも言ってみようかしら
多分、「何、お前」って言われるのがオチだけど

―20日目ー
今日はお休みで、やぎちゃんの家に遊びにきました。
前回はゆっくり出来なかったのでゆっくりしてやろうと思います。
でもやぎちゃんはお仕事らしいので夕方までしか居ないそうです。
この部屋、侵略してやろうか

―21日目ー
夜勤のお知らせですよ―
いつもの如く、彼は絶賛荒ぶり中!
いつもの言葉に加え、チョコ○ールの歌も加わりなんか賑やかになった。(レパートリーが)
いつでもここに〜♪
夜の店長♪
ってことで
毎回、毎回、名言を残す、たにみ様降臨です。
今日もたっくさん変態が押し寄せてます。
このスケベ!
「店長ー。お客さんが増えるのはいいんですけど…」
「なに?はっきり言ってみて」
「なんか怖くないですか?」
「そうかしら?私の権力を示すための道具だと思ってるから、もう慣れたわ」
怖ぇぇぇぇぇぇ
また名言いただきました!
いつものごとく男を道具かなにかと同じにしていらっしゃる…
なめてると痛い目みるぜ
ってあれ?
何キャラだろ…
店長が品数を確認しに商品棚へ…
っておい、ちょっとまてや!
見えてるから!
見えちゃってるから。
この馬鹿店長!
「お嬢さん、見えてますよ。下の仕事は俺がやりましょうか?」
はい、きました。
ドスケベホイホイに捕まったのはやぎちゃんです。
顔を赤くするな―!
必殺!さとみナックル―
「いって―…お前の骨は痛いんだから加減しろって言ってんだろ…」
「えっ?えっ?痛くないでしょ?」
試しに店長を殴ってみる。
「痛く無いですよね?」
「痛くないけど、さっきよりも加減してるわよ」
そんなことないと思うんだけど…
どうやら私の技は意識しないときに発動すると最大の攻撃力をほこるらしい…
「この全身凶器め!」
悪態をつきながらやぎちゃんがフラフラと立ち上がる。
そして私に近づき、
「俺の腕が動かなくなったら誰がさとみを抱きしめるんだ」
誰だよ!
一体誰が降臨したんだ!
苦笑いを浮かべておく
「なんだ〜?不発か…つまんねぇ〜」
そりゃ、異性ならまだ赤くなるかもしれんが考えてみろ。
お前さんは女だ!
まぁそんなこんなでいつものやぎちゃんと店長の深夜のテンションは続き、どうにかバイトが終わりました。
22日目

最近、店長がおかしい…
いや、なんて言うんだろうか…
うーん…
悩ましい限りである…
とかなんとか言ってると…
ほら始まった…
「や・ら・な・い・か
ゆらり、ゆらり、揺れている。
乙女心ピーンチ♪」
やめろ――――――――
意味わかってるんだろうか…
わかってたらまず歌わん
チクショ〜
なんてことだ。
〜♪
そして、やぎちゃんがやってきた。
ず氏君も一緒である。
「う〜清水〜」
そして依然歌い続ける店長。
「ねぇ…あれどうしたの?」
どうしたのと言われても…
私もわからん…
「さぁ〜朝からあんなんなんだよ」
「ふーん…
じゃあ店長のテンション上向きだ。
よかったね」
よかったのか?
やぎちゃん、これはいいのか?
まぁあのダークマターよりいいか…
「録音してきた―」
なにしてんの!!!!!
ダメだろ!
「流す――――!」
おい――――
止めろ!やめるんだ!ばいきんま―ん!
ポチッ
「ゆらり、ゆらり―♪」
あぁぁぁぁぁぁぁ
終わった…
終わったよ…
またダークマターだよ…
「ゆらり、ゆらり、」
歌うんか―い!
チクショ〜
ツッコミばっかさせやがって
たまにはボケさせんかいお前ら
「「「wwwww」」」」
一同笑い!
なんやかんやで私は、この人たちが好きだ。
いやloveではなくlikeで
見てて飽きないでしょ?
つーか
たまにここでなにしてんだろって
ふと感じるときがある。
そんなときには何も考えないのが一番!
と教えてくれたのも
皆だったな…
なんか終わりっぽくなったけどまだまだ続けるよ!
まだ序章に過ぎん!
という訳で今日は、これにて終了!
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