[小説]さとみ小説

□店長と私の365日
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11日目

大変だ。
店長がまだやんでいる。
場の空気が黒くてしょうがない。
早く終われー
あぁ…また店の隅っこでぶつぶつ言い始めた。
この人はなんだろうか。
かまって欲しいのか?

12日目

今日は店長の機嫌が良い。
誰もいない店のなかで
「バナージー!」
と叫んでいた。
どうやらお気に入りのアニメがBSで始まるらしい。
さっきから
「BSでやるだよ」
と連呼している。
よかったね。店長。

13日目

今日の店長による機体撃破数38体。
団体客が来たので斬り放題だった。

14日目

再び夜勤のお知らせである。
店長が死ぬ程荒れていた。
「散れ、女」
「木っ端微塵こ」
とよくわからない単語を連ねていた。
再び堀越さんと仕事である。
少し楽しみだ。
ドアを開くとそこに彼女がいた。
安定のあの格好である。
「あら、さとみちゃん。おはようございます」
「おっ…おはようございますっ!」
相変わらずおっきい…
「さぁ早く着替えて」
「ハイッ!(ビシッ」
着替えてこの前と同じように店に出る。
相変わらず、変態客で溢れていた。
最近なにやらネットで話題になっているらしく、さらに客が増えた。
「しっかしすごいですねー」
「ん?なにが?」
「こんなにたっくさんお客さんを集めるなんて」
「いいこと、さとみちゃん。男なんてものは単純な生き物なの」
でたー
夜の店長の名言!
ちくしょー
胸があると自信までつくのか…
羨ましい。
オラに谷間を分けてくれー
〜♪
また新しい…ってお前かー!
「あっそびに来たよーたにみちゃーん」
やぎちゃん登場…
何やら格好がホストっぽいが間違いなくやぎちゃんだ…
ついに男装まで…
お手上げだ。
髪が…
髪の毛の色がシルバーなんだが大丈夫なのか?
「ちょっとやぎちゃん。止めてって言ったでしょー!その呼び方」
おぉ珍しく夜の店長がご立腹である。
するとやぎちゃんがスタスタと歩み寄り、顎をクイッと持ち上げ、言い放った。
「だってこの呼ばれ方で満足してるのはどこの女の子だったかな」
店長の顔がみるみる赤くなる。
Nooooォォォォォ!
許さんぞ!
私の目の黒いうちは何もさせん!
でもやっぱり放置したら美味しいかも…
あーやっぱりダメだ!
愛の逃避行しちゃう…
えーぃ。
さとみの頭突き!
青柳に効果抜群だ!
青柳は倒れた。
「うわぁー!まっまさか!この頭突きは…さとみ!」
何処のゲームですか!
「そうだ。私だ」
一様返す。
「えっへん…」
咳払いが後ろから…
キャーーーーーーーーー
顔がっ…
顔が変わってらっしゃる!
「いますぐ止めないと二人とも追い出すわよ」
ヒェーーーーーーー
止めて下さいまし、店長。
あやつが!
あやつが悪いのです!
「ごめんよ。仲間外れにして。寂しかったかい?」
ふぎゃーーーーーーー
ぬしは、まだふざけるか!
「もぅやぎちゃんったら。次はないんだからねー」
ノるんかい!
ツッコミがハードです。
私のツッコミ結構鋭利なものになってきたよね?
もはや武器だよ!ってな訳で…
二人の世界は続き、時々私が止めに入りという作業を繰り返し、夜勤は終わった。
夜明けと共に店長がやってきて
「シャイニングフィンガー!」
と言って
堀越さんに攻撃してました。
私はもうツッコむ事を止めました。

ー15日目ー

くたばる。
今日はコタツでゴロゴロする。
流石に夜勤明けはいろいろとキツイ。
ミカンに絵を描いてやぎちゃんに送る。
“やめろぉぉぉ”
と返信がきた。

ー16日目ー

今日は疲れがたまっていて、レジに突っ伏してます。
休みは2日欲しいです。
うだうだやってると
スタスタと店長が歩み寄ってきた。
「どうしたんだ?元気ないな?」
おっ?
心配してくれたのか?
意外に良いとこあるんだな…
「うーん…」
ゴロゴロする。
「うーん…そうか。じゃあお前が元気になるように俺のビームサーベルを分けてやるよ」
はいぃぃぃぃぃ?
今、あなたなんて言いました?
危ないです!
非常に危ないです!
「いらない…なんか汚そう…」
「なに?俺のビームサーベルはキレイだ!」
綺麗なのか?
いやいやいや
綺麗とかそんな問題じゃないぞ!
民事訴訟起こすぞ!
「もういいですからっ!ほっといてくださいよ!もうっ」
「そうか。わかった」
店長、ほんとに純粋なんだろうか…
実はわかってて言ってるんじゃないか…
ふとそんな考えに捕らわれていると
〜♪
お客さんもといやぎちゃんが来た。
この人は、いつ働いているのだろうか…
「ヤッホー!さとちゃん。元気してた?ってあれ?元気じゃないな…なんかあったの?」
「聞いてよ〜さっき店長がさ…」
「俺がなんだって?」
ヒィーーーーー
この地獄耳!
「いいや。後で話す…」
「シャイニングフィンガー!」
黙れよ!
「うん…わかった」
「ところでやぎちゃんはどんな仕事してるの?凄く気になるんだけど…」
するとやぎちゃんは、少し困ったような顔をして
「本当に聞きたい?」
と言ってきた。
何この“聞いてはいけない感”…
やぎちゃん、一体何があった?
「実はね…」
うんうん…
「そんなにもったいぶらなくてもいいだろ。コイツは小説家だ」
「おーいー。なんで言っちゃうかなー。さとちゃんをいたぶるつもりだったのにー」
お前ってやつは…
でもよかった。
変な仕事だったらどうしようかと思った…
てか小説家なの?
凄くね?
だから来る時間があるわけだ
「ちなみにジャンルは?」
「それも聞いちゃう?まぁいろいろとだよ」
返事になって無い
「知りたかったら見つけて見ればいいよ。そのままの名前で出してるから。文字は少し変わってるけど」
へぇー今度探してみよう。
と、まぁやぎちゃんの正体が明らかになっただけで、今日は終わった。

ー17日目ー
今日はいろいろと疲れたので寝ることにした。
もちろん、バイトは休みだ。
一眠りして、ふと漫画が描きたくなる。
そうだ!
久しぶりに本格的に描いてみるか。
一日が終わった。
ー18日目ー
今日は三岡さんが商品を置きに来る日だ。
また変な物じゃなければいいが。
窓越しに二人の姿が見える。
楽しそうだ。
何でも三岡さんは科学者らしい←店長情報
そこで開発した物を持ち込んでいるとのことだった。
「この前のブリーフ、実は凄いんじゃないか?」
なんか知らんがあのブリーフの売り上げ半端なくいいんだよな…
まぁそれも夜の店長がエロいせいだな。
いかんいかん。
私の純粋イメージが決壊する。
え?
なに?
もう決壊してる?
民事訴訟起こすぞ!
おっ!
店長がなにか持ってきた。
今度は、何だろうか。
〜♪
なんか袋に入ってるのかな?
「なにか仕入れるんですか?」
「いや。俺が実験台になるだけだ」
三岡さん、今度は何を作ったんだろう…
気になる…
〜♪
「あっ清水。一つ言い忘れた。一様、ネズミでは成功してるが人間にはまだ試してないから、異常が起きたらすぐにやめろよ」
「えぇー!ネズミからいきなり俺に飛ぶのかよ。なんかやだなぁー」
「じゃあよろしく」
〜♪
大変だ。
目の前で人体実験が行われている。
「はぁ…まぁ〜いいか。今、昼食ったばっかだから一個食ってみるか」
一粒口の中に入れる。
店長の顔色が一瞬にして変わった。
「辛ー。けほっ。けほっ」
顔を真っ赤にして絶叫する。
「てっ店長!大変。えぇ〜と…水、水。はい店長。あべしっ!」
勢い余って倒れる。
水が溢れたはずだが水滴しかない。
という事は…
店長ーーーーーーーー!
目の前にはびしょ濡れになった店長がいた。
ゴゴゴゴゴゴッ。
効果音が聞こえそう…
ヒュッ。
バンッ。
また裏に閉じこもってしまった。
おーい、店長ーやめてー。
謝るからー。
「ごっごめんなさい!あの…わざとじゃないんです。ほんとに」
ガチャッ。
「帰れ」
バンッ。
めんどくさ!
この人、ほんとに嫌。
「じゃあ。ほんとに帰りますからねー。知りませんよっ!」
ガチャッ。
キー…。
ゆっくりドアが開く。
「待て、寂しいから居てくれ」
ツンデレキターーーーーーー。
ほんとにこの人は何がしたいんだろうか…
お願いだからそんな顔をしないで!
わかった。
わかったから。
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