[小説]さとみ小説

□店長と私の365日
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「わかりましたー」
と言っても品が切れてる事はほとんど無いのでフラフラするだけである。
「終わりましたー。次は何をすれば…ってえぇー!?」
それは常人ならば誰でもヤバイと思う風景だった。
極限まで盛った胸に胸元の開いたYシャツ、スカートに黒タイツの鉄壁の格好で接客していたのだ。
さっきまであんなんじゃなかったのに…
もうこの巨乳!死ねや。
会計に来る男、来る男みんな鼻息が荒い。
この変態どもが!
その列の中に見知った顔が…
やぎちゃん?あれ、やぎちゃんだよね…
「えぇー!?ちょっ…おま…お前も巨乳派なのか!」
次の瞬間男性客から羨むような声が聞こえた。
ふと、振り返るとやぎちゃんが堀越さんと戯れもといやぎちゃんが堀越さんにセクハラをしていた。
「またおっきくなったんじゃない“たにみ”ちゃーん」
と言いながら、乳をつついている。
私は思わずやぎちゃんに向かって頭突きをした。
「痛っ!誰だよ!って…さとちゃん?え?なんで居るの!?」
状況が飲み込めず混乱する青柳の図(笑)
「今日は夜勤なのだよ。お前はさっきから公共の場で何をしてるんだよ!」
「だって毎回の事だもん…夜のたにみいじり…」
とんだ変態だ。
この店の男性客はこれを楽しみに来ているんじゃないか…
まったくなんて奴等だ。
まぁそんなこんなでいろいろとあったがまたコンビニでの一日が終わった。
明け方、店長が堀越さんに
「早く帰れ。散れ、女」
と言うのを耳にした…

6日目
くたばる。屍になった。

7日目
本日の店長による機体撃破数15。
結構多かった。

8日目
本日、休日。

9日目
店長の食道が炎上中。
三岡さん特製スープを飲んだらしい。
本人いわく
「あれはヤバイ。無理だ」
らしい。
10日目
「今日もコンビニは賑やかっておかしいだろ!」
序盤からノリツッコミをしてしまった…
何やら昨日あったらしく、テンションがMAXになった高2並みに騒いでいた。
コンビニは普通静かだ。
「店長!店長も店長ですよ!貴方この店の店長でしょ?店長がしっかりしないでどうするんですか!」
「お前、今の一言で“店長”って何回言った?」
少ししぼんだ感じで店長が返す。そしていつもの三人(やぎちゃん、ず氏くん、みっちゃん)が笑いだす。
「SSお前最高www」
「ヤベーすんばらしい才能を持ってるね。さとちゃーんwww」
「www」
「えっ…そんな才能イヤですよ」何故か顔が赤くなる。
昨日一体何があった…
「いやさ、昨日コイツが」
「やめろず氏。それ以上言葉を発すれば俺のメガリューシ砲が火を吹くぞ」
皆、肩が震えている。
「ぷっ。アハハハ」
少し耐えていたようだがやぎちゃんは耐えられず笑った。
それに続き残りの二人も笑い始めた。
これがニ○ニ○動画ならコメ欄で埋め尽くされ、動画どころじゃなくなるだろう。
また賑やかになった。
「なぜ皆、笑ってるんだ?俺そんな面白いこと言ってないぞ」
真面目な顔をして真面目に質問をしてくる。
だからいろいろと困る。この人は本当に純粋なのだろうか?
「べっ別に店長がウケること言ってないならいいじゃないですかwww 」
「ならなんでお前も笑うんだ?もういい…なんか聞かないほうがいい気がする」
そうだね店長。それが正解だよ。
この人は純粋であるが故にヤバく聞こえる単語を出す時がある。

本当に純粋なのか意図して言ってるのかは知らないが意図して言っている気配はない。
意図して言っているのだとしたらやぎちゃん並みの変態だ。
「ところでず氏。お前、ひょうのすけを引き取りに来たんだろ。さっさと持ち帰れ。場所とってし
ょうがない。俺が夜の店長の餌食になる前に早く持って帰れ」
www
一同笑い。
「はーwww清水お前最高!」
ここは変態の巣窟だ。
「はぁ…まぁどうでもいいから早く連れて帰れ」
「わかった、わかった。今、出しますよ」
事務室に入ってしばらくゴソゴソ音をたてていた。
バンッ
ドアが壊れるんじゃないか位の音をたててず氏くんがでてくる。
「清水!大変だ!ひょうのすけが逃げ出した」
「えぇー!ヤバイッ!早く皆距離をとらなきゃ…」
するとやぎちゃんが耳元で
「まぁ見てなって」
と囁いた。
「えぇー!それは大変だ!早く探せ!」
慌てる店長。
「清水!清水!」
「なんだようるっせぇな…」
ず氏くんの手元から何かが飛ぶ。そのまま振り返った店長の胸元へ何かが入った。「なんか今、入っ…」
「さとちゃん。しー」
指をかざし、私を制するやぎちゃん。
「なんてことしてくれるんだよず氏!腹のとこに入っただろ!どうにかしろ!」
焦りながらも冷静な対処!
流石です。
「なーんだつまんなーい」
とやぎちゃん。
お前は何を期待してたんだ。
その時、腹のところでくねくねしていたものがズボンの中へ吸い込まれていく。
「あっ!」
一同一斉に絶句。
「おい!流石にダメだろ!怒るぞ!」
珍しく店長が取り乱し気味だ。
ひょうのすけはといえばズボンの下から何も無かったかのように滑り出てきた。
ず氏くんが捕獲!
「おーよしよし。いろいろとおぞましいもの見ちゃったねー。今のは早く忘れてね」
一同笑いに包まれる。
店長が顔を赤くして事務室に入ってしまった。
僕もうお婿にいけないっといった感じだろうか。
「どーすんだよ。清水怒っちゃったぞー」
と頭の後ろで手を組むみっちゃん。
「みっつー頼んだ!」
なんて奴だ!
「わかったよ…ただし今度あーなったら今度は、ず氏の番な」
「それはどっちが原因かにもよるな」
「それもそうだ」
軽っ!この人たちのノリ軽っ!
店長が可哀想に思えてきた。
ドアの前にみっちゃんが立つ。
ドアを叩きながら言い聞かせるように言う
「清水。今のは悪かったよ。頼むから許してくれよ」
ドアが開いた!
「帰れ」
バーン!
時間にして3秒くらいだった。
速っ!
めっさ怒ってる。
明日あたり処刑だろうか…
ていうか店長がいないコンビニってなに?
「しゃーない帰るか」
えぇ!
冗談じゃない!
こんな店長と置き去りなんてヤダ!
おどおどしていると
ず氏くんが
「安心しろ。やぎさんを置いてく」
「えぇー?!マジで?えっ?ねぇ嘘でしょ?」
おどおどするやぎちゃん。
店長の怒り状態はそんなにヤバイのか…
なおのこと嫌だ。
「じゃあな〜」
〜♪
「えぇー!ちょっとま…」
やぎちゃんの呼び止めもむなしく二人は消えた。
やぎちゃんはへたれ込んでうなだれていた。
そこで店長が怒るとそんなにヤバイのか聞いてみることにした。
「店長って怒るとそんなにヤバイの?」
すると店のドアの前でやぎちゃんが呟き始めた。
「まず、この店全体が黒いオーラに包まれる」
ヒェー
イヤー
帰る!
「どんな感じなん?」
「ドアからちょこちょこ出てきて用事を押し付けてくる」
めんどくさ!
この店長めんどくさ!
てかかわいい
何その無駄なプリティー感
「あなどるな…常に黒いオーラを発しているぞ」
イヤー
帰る!
帰らせて下さいー
ガチャッ
ドアの音と共にどす黒いオーラが…
全身に鳥肌がたった。
ヒィーーーーー
「おい、お前。売り上げデータをまとめておけ。今日はそれが終わったら帰っていい」
怖ぇーーーーーー
バンッ
時間にして数秒…
だが、私には異様に長く感じられた。
それから私は、さっさとデータをまとめ。
まとめたものを店長に渡し(投げつけて)、家に帰った。
それに今日は、やぎちゃんと一緒に呑みに行った。
楽しかった。
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