挟まる快感
□プロローグ
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-----ドコドコドコドコ
ココハドコ ココハドコ
ナニカガオカシイ
クルッテル-----
真っ赤で紅く染められたあかい赤い部屋に俺はいた。
手のひらや服髪靴顔何もかも全てあかい。真っ赤だ。
これを見ても何も思わない。
.....何故だろうか?
これがまるで、鮮やかな真紅の彼岸花畑に見えて仕方がない。
そこに何か2つの物体が転がっていた。そこからは血生ぐさい異臭がする。
----ナゼコンナコト二ナッタノダロウ----
----モウヒトリノブンシンモ
ワラッテイル----
----オレヲアザワラッテイル----
----ソシテオレニテヲサシダシテキタ----
----コノテヲトルベキカ
イナカハオレニハマダワカラナイ----
俺は一体何者なんだ。
それは一本の血塗られた記憶とその刀にしか自分に教えてはくれない。
だが、これは変わらない事実なのだ。俺が人を殺したという事実.....ある意味真実とも言える。
『俺には過去も未来もない。
ただこの刀で俺の命を絶つ。
今、そう決めた.....』
......グサッ........
何かが刺さる音がした。
真っ赤に染められる自分の胸を見て、ある言葉しか頭を過ぎらなかった。
血だ血だ血だ血だ血だ血だ血だ血だ赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
余りの激痛にもの凄い勢いで叫びたくなった。
それでとうとう、
耐えきれなくなり.....
「ァァァァぁアアアアあああアアァぁあァァァアアあアあアああアアああああァアあああぁああ....あ!!」
叫び声が部屋に反響した。
『.............い...てぇいてぇと思っ....てたがこ......こ...まで、いてぇとはな......ふっ』
カハッと吐血し、呼吸音が乱れる。
血が地面に広がり、臭いや色が浸透していく。
自分でも心臓がどんどん弱まっていき死に逝く光景が目にみえる。
普通はここで、生きたい望むところだが、蓮は違う。
死ぬことを望んでいるのだ。
死ねることが何よりも嬉しい。
これでやっと救われると、
解放されるということが。
だから笑顔なのだ。
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ーーー ーーー
ーー ーー
ー ー
どんどん景色が揺らいでいき
ー ー
ーー ーー
ーーー ーーー
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「.........さ....よう........なら、もう一人の俺.....。」
自分の世界が真っ暗闇で包まれた。その後ろに微かに自分に似た残像を見た気がした.....
この瞬間が蓮の命の灯火が消えた一つ目の時だった。