SHORT-STORY

□ストレス社会
2ページ/4ページ








「南愛実、ちょっと来なよ」









「雲雀さん…!?」








それは教室掃除をしている時だった。





何の前触れもなく、
十数回目の呼び出し。





教室の中にいるみんなが、あたしを見つめる。



やめてよ、ちょっと!



あたし、何もしてないじゃん!



みんな、そんな冷たい目で見ないでーっ!!









ったく、何なのさ風紀委員長さん!






あたしに何か用かよ!





そんなに暇なのか!






「何でしょうか、また」



「応接室に一分以内ね、待ってるから」







…はい?





待て待て。






ここは応接室から1番遠い教室。



無理だろ、普通。




しかし、問題点はそこだけじゃない。








雲雀さん、
“待ってる”って…





Σどうやって!?









「じゃあ、今からスタートだよ。
位置について…

よいどん!」









Σ雲雀さん走ったーあ!

全速力!!



しかも、
“よいどん”って何だよ!



よーい、どん!
だろ!!








「堪えろ…自分…!
頑張れ、愛実…!
風紀委員長さんはきっと、日頃のストレスでどうかしているんだ…
だからあんなに馬鹿っぽいんだ…」






あたしは応接室へ向かって走った。


.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ