SHORT-STORY

□ありがとう
2ページ/4ページ






談話室から1番近い自分の部屋に寄って、新しいコートを羽織る。






改めて廊下に出ると、同じフロアのベルの部屋へと足を運んだ。






「今日は確か、ベルの任務は午前中に終わるって聞いたんだけどな…」







ノックをしても返事がない。






「どこに行っちゃったんだろ…?」








今、来た道を引き返し、ルッスーリアの部屋がある、一つ上のフロアへとエレベーターで向かった。






長い廊下を歩く。




誰とも擦れ違わない事が、急に不安になる。








「ルッスーリアー?愛実だけど…」





返事はない。







はぁー、とため息をはく。







「もしかして、ダイニングルームかな?」







皆で食事をしてるのかもしれない。






愛実はエレベーターの最上階のボタンを押した。






エレベーターのドアが開く。






ダイニングルームへと続く大きなドアの前には、
一つだけ、人影があった。





.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ