SHORT-STORY

□パラレル
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ダンッ






「貴方たち…何なのよ!」








狭い狭い、路地裏。







ビルの隙間からわずかに注がれる日差しは、頼りないものだった。







「何ってなあ、お嬢ちゃん。
君の連れが俺達にぶつかって、謝りもしねぇんだ。
ちょっとルールってもんを教えてやろうかとな」









右も左も。



路地の入り口は全て、黒いスーツの男達数人に囲まれた。








「ぶつかったって…!
この子はまだ子供でしょう!」





「子供な割には、よーく裏社会を知っているようだが?」






中心人物と思われる男が二人に近付く。






「ランボさん、何にもしてないもんねー!
コイツらが勝手に言ってるだけだーい!」






「ランボ、黙って!」






「随分と威勢の良いお子様だ」






男の手が子供の服を掴む。





「やめて!!」






「黙ってな、お嬢ちゃん」







女の子の両腕を、別の男が捕らえた。








「放しっ…てよ!
ランボに触らないで!!」




ドスッ…




「ぐぴゃっ」





男の拳が子供の腹部に入る。





「やめて!!」





「うわぁああん!」






「うるせー餓鬼だ」







泣き続ける子供。




女の子は抵抗を続けた。





「うわぁああん!」






ズカン…










辺り一面を煙りが舞った。
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