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「おい」
遠くから声がする
「おい、つってんだろが!」
げし、と足を蹴られた。
うっすらと眼を覚ますと「だ、大丈夫か?ギアッチョ」とおどおどするペッシの声がかけられた
(んあ?何が起こったんだ)
ダルい体を持ち上げそのまま座り込む
部屋に侵入して、プロシュートの野郎が倒れてて、知らねぇ女が居て…居て……?
「っ!あの女ぁ!?どこ行きやがった!!」
思い出したぞ!あのクソ女!!
目が合ったと思ったら、そっから記憶がねぇ!何かしやがったんだ!
ギロリと辺りを見渡すが、さすがにあの女の姿はない。
それに倒れてからまだそんな時間も経っていないようだ
外は暗いし、ターゲットはまだ寝ていやがる
「びっくりしたぜ。オレ、合図待ってたのに全然こないから、中見てみたら兄貴もギアッチョも倒れてるしよぉ…」
ペッシは困り顔で俺とプロシュートの顔を交互に見ながら話す
「その時女は居たか?」
「いえ、兄貴。2人とターゲットだけだったぜ」
「ーっ!クソが!何で殺らなかった?!」
ぎっと睨むと、ペッシは萎縮してもごもごと黙り込んでしまった
それを見かねたプロシュートは「自分もやられてるくせにペッシに偉そうなこと言えんのかよ」と鼻で笑う
それに更に腹が立った。
「チッ」
「俺も油断した。まさか女が居るとは思わなかった」
「とにかく、あの女の場所を突き止めるぞ。まだ近くにいるはずた」
次会った時は覚えてろよ!
「殺すなよ。取り敢えず生け捕りにして経緯を聞く。」
プロシュートは携帯を取り出すと何処かにかけ始めた。
コール音がかすかに聞こえる中
「ペッシ、回収はすんだか?」
「え?あっ、今やります!」
「ちんたら遅せぇんだよ!男は先見越して行動するもんだ!さっさとその札詰めとけ!」
ペッシが慌てて開かれたままの金庫に駆けていく
電話が繋がったのか、つかつかとその場をプロシュートは離れていった
(生け捕りか。クソ、何しやがったんだ?ぜってぇ吐かせる!)
俺はぐーすか気持ちよさそうに寝てる売人にとどめを刺すため、ようやく立ち上がった
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