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□繋がり
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次の日、私の家に見知らぬ人が尋ねて来た。

人嫌いの私は居留守を決め込もうとしたが…


「居るなら開けて欲しい」



ふと視線を上げれば、いつの間にか目の前に不審な男が立っていた。


黒い洋服に、黒い眼… まるで死神のような印象を受ける男は、きょろきょろと部屋を見渡していた。


「ど、どうやって入って来たんですか…?」

私の裏返った声での質問に、男は「能力を使えば訳も無い」と理解出来ない答を返して来た。



そして「君の能力を見た」とも付け足す。


私は混乱する脳を必死に静めて、もう一度質問を繰り返そうとしたが…



突然、有無を言わせず腕を掴まれ、手短な説明と共に部屋から連れ出されてしまった…

(い、一体何処に連れて行かれるの!?)




−−−−−‥


「…どうしたなまえ?」

あの時は死神が来て、本当に殺されるんじゃないかと思っていたが

その男はリゾットと言うらしく、ある組織の暗殺部隊リーダーとして私を勧誘しに来たそうだった。



私は机に頬杖を付き、ぼーっとしながら「ちょっと懐かしい思い出が…」と上の空のように返した。


そんな私に彼は飽きれた様に息をはいて、ぽんっと頭を撫でる。

気持ち良さそうに眼を細めると、彼も柔らかく微笑み返した。





…もしあの時、私が道に倒れていた人を救わず、そのまま逃げ出していたら

彼と出会う事は無かったのだろう。



もし、幽霊の仕業だと思っていた私のスタンド能力を彼に見つけてもらえなかったら

あんな強引に私を部屋から連れ出す事も無かったのだろう…



幾つもの不思議な繋がりに、私は心から感謝していた。





もう孤独な思いも、友人から裏切られる事も、あの嫌な目で見られる事も無いのだ…

これも全てリゾットのお陰。



私は頭に乗る彼の手を愛しそうに撫で、小さな声で呟いた

「…ありがとう。リゾット」


自分で言って恥ずかしくなり、顔を赤らめる。

人なんて嫌いだったけど…
繋がりって素晴らしい。



だって一人だと、こんな暖かくて優しい気持ち 味わえないでしょう?

私は静かにふふっと笑った。



       「繋がり」



 
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