luce

□悪霊払い
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悪霊といっても様々だ。

彼奴らは姿形は違えど、やる事は変わらない。悪さを働く

犯罪が主だ。
詐欺、誘拐、強盗、放火、万引き、いじめ、変質者…

9割は自我で行なっているが、残りの1割に奴等が絡んでいる。

こうなれば周りがどうこうしようが、元凶を叩かなければ意味がない。

それを私たちが行う。

まるで惹かれ合うように行く先々で出会うのだ。その1割に当たる確率なんて本当に少ないのに、ツキがついてる人のように出会う。

…これが現金とかに反応する能力だったら良かったのに。


基本、人助けの様なものだ

悪霊を払ったからって国からお金がもらえる訳でもないし、霊能力者みたいに料金が発生することも無い。

何のメリットもないが、責務だ。

先祖代々、脈々と人助けをしているこのお人好しの家系。下手すればこちらの命も危ないのに

しかし私達がやらなければ、誰もその1割を救えないのだ。

突然憑かれたその人の人生は突如そこで終わる。

そんなの、可哀想だ。

だったら嫌々でも払うしかない…

私は生まれながらに慈善活動として生涯を捧げるしかないのだ。

諦めよう。




私は、はぁと溜息を吐いて目頭を揉む

玄関に腰掛けながらスニーカーの紐を結び、寒さに震える指でスマホのホームボタンを押して時間を確認する。

「じゃ、行ってきまーす」

気だるげに声を上げ、誰もいない家を後にした。


今日はクリスマスに友人にあげるプレゼントの下見に駅前まで行くのだ。おもちゃ屋に行って、雑貨屋に寄って、あ、ビデオ屋にも寄ろう。

白い息を吐きながらイヤホンを耳にねじ込み、両手をパーカーのポケットに仕舞った。


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