luce
□首飾り
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昔々。
ある国がありました。
国には王と妃がおり、可愛らしい王子も居りました。
王は威厳に満ち、同時に優しさにも溢れていました。
堂々とした佇まいに、国民はただ憧れの視線を向けます。
妃はとても美しく、一つ一つの動作が優雅で、沢山の人達から信頼がありました。
美しさもさることながら、賢い頭脳も持ち、王様の助けも行っていました。
そんな2人から生まれた王子は、まさに絵に描いたようなプリンスでした。
綺麗な瞳はどんな大人も虜にし、愛らしい笑顔は大勢の国民にも愛され、守られていました。
頭も良く、溌剌としていたので時に悪戯で怒られてしまう事もありましたが、王子は実に幸せそうでした。
そんなこの国は、平等に満ちていました。
何をするにも平等。
何が起こっても平等。
人々は「均等」を愛していました。
物を拾われたなら、それに見合うお返しをします。
何か悪い事を起こせば、それ見合う罪を受けます。
この規則は王が決めたのです。
規則により、この国は長年栄える事が出来ました。
…しかし、犯罪が無くならない訳ではありません。
自分の犯した罪の重さも知らず、与えられたその罪に平等な法を下せば、逆上する者もいます。
中には、王様を殺そうとする輩もいるのです。
そんな王族達を守るために、新たに設けられた軍があります。
それが、なまえの育った場所。
護衛軍です。
この軍は一族により結成され、血の繋がりにより硬い結束力を持つ最強の集団なのです。
相手の犯した罪が死に値するものなら、殺す事だって躊躇いません。
護衛軍は暗夜に活動し、密かに任務を行っているので誰もその姿を見た事はありませんでした。
これは、そんな国で起こったなまえのお話。