フェアリーテイル

□生誕
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あれから落ち着きを取り戻しルーシィはふとティユルリーへ赴いた。

「まぁルーシィ!ようこそ。」

快くマリアンヌは歓迎してくれた。







「折角いらしてくれたのに生憎名前は留守なの。」

豪華な家具が置かれたサロンでマリアンヌは紅茶を飲みながらそう話した。

「ううん。なんだかギルドにいたくなくて。」

エクレアのこともあり、ルーシィは無意識に傷ついた心を癒しにマリアンヌに会いに来ていた。

「そうなの?それならば暫くこちらにいらしてはどう?」

7歳も年上になっていたマリアンヌはルーシィと会うと少女に戻ったように見え心が踊るようだった。

「迷惑じゃなければそうしたいな〜。」

ルーシィはティーカップに口づけるとほんのりと甘い香りが漂った。

「この御城には男しかいないようなものだからルーシィがいらすと華やかになるわ。そうだ!」

ふとマリアンヌはひらめいた様子でルーシィの顔を見つめた。

「どうしたの?」

「夜会を開きましょう!」

「夜会?」

マリアンヌの言う夜会はお泊り会のことだった。

貴族の若い娘たちを城へ呼び、まぁ現代で言うパジャマパーティのことである。

「楽しそうね!」

ルーシィもノリノリだった。












「ただいま戻りました。」

それから夜になり城へ戻った名前はマリアンヌの部屋へ向かった。

すると

「ルーシィ!」

思いもしない来客に名前の顔が明るくなる。

「駄目よ名前!ルーシィは私の客人ですの。」

マリアンヌは頬を膨らませルーシィに抱きつくとルーシィも名前も苦笑いしてマリアンヌを見つめた。

「そういう事でしたら、ごゆっくりと。」

名前が一礼して部屋へ出て行こうとするとマリアンヌが止めた。

「名前!明日夜会へ開こうと思っていますの。ですから色々と手配を頼んでも宜しくて?」

尋ねるマリアンヌに名前は断れず承諾した。

「では、失礼致します。」

名前は部屋を出るとルーシィは尋ねた。

「名前も一応ああ見えて貴族だけど今回の夜会には参加しないの?」

「ええ、だって名前はこういう女染みた″イベントはお嫌いですもの。」

とわざとらしくマリアンヌは答えてみせる。するとルーシィは確かに、と頷いた。

「どんなパーティを開いても軍服ばかり身に着けているのよ。お陰で貴族の娘たちは大喜びですこと。」

とマリアンヌが話すとルーシィは笑った。

そんな彼女を見てマリアンヌはホッとする。
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