ちょこっと図書室
□へんたいちさん
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太一「…あははっ!」
太一はリビングのソファに座り、テーブルに乗せたポテチを食べながらテレビを観ている。
拓也「………」
大「………」
そのソファの後ろにそろーっと息を潜めて拓也と大が近付く。
拓也「…いいか?」
大「…OK。へへっ、日頃偉そうにしてやがるお返しに、盛大にビビらしてやるぜ…!」
太一が自分達に気付いていない事を確認し、アイコンタクトを交わした二人は、同時に太一へと飛び掛かった。が、
太一「とうっ!!」
拓也・大「ふぎゃっ!!?」
太一は座っていたソファからテーブルを綺麗に飛び越え、向かい合うように設置されているもう一方のソファへと飛び移り、拓也と大は先程まで太一が座っていたソファに顔面から二人揃って潰れた蛙の様な呻き声を上げた。
拓也「いってぇ〜…」
大「くっそぉ、気配は完璧に消せてた筈が…」
ソファから落ちたままの状態で悔しそうにしている二人。だが、体はそのままに顔だけ前に向けた拓也はあることに気付く。
拓也「……あれ?太一何処行った?」
大「は?今目の前に居…………」
大も顔だけ前に向けて確かめたが、そこに太一の姿はない。
拓也・大「………」
ギギギッと言う音がしそうな程ゆっくりと、二人は後ろへ振り返る。
太一「二人とも…そーんなに俺に構って欲しいのかぁ…」
満面の笑みを浮かべる太一。
拓也と大の二人は滝汗をかきながらにっこりと笑い返す。
拓也・大「あ、あはは………うぎゃあっ!!?」
二人は尻をムニっと鷲掴みにされ悲鳴を上げた。
太一「おうおう、今日も良い尻してんなぁww」
太一はニヤニヤと笑いながら感触を確かめるように手をにぎにぎしている。
拓也「に、逃げるぞマサルっ…!」
大「言われなくてもそのつもりだぁあ!!」
太一「あ、待てよ二人ともぉ〜!」
拓也・大「誰が待つかぁぁぁあああああ」
脱兎のごとく逃げ出した拓也と大を、太一は実に楽しそうに追い回していった。