稲妻11

□8.集めろ!強力な仲間!
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「君が中谷くん?」

シカ公園の近くでリフティングをしている男の子を見つけた。緑色の髪に緑色の瞳。しなやかな矮躯は細すぎるとも見てとれるが、よく見るとほどよく筋肉がついている典型的なアスリート体型だった。

「…そうだけど」

「あらイケメン」

私が正直にそう言うと風丸くんがバシッと私の頭を叩いた。

「風丸くん…私の扱い乱暴になってきてない…?」

「中谷、お前に頼みがあるんだ」

「無視!?」

傷ついた!

「僕に頼み…?なにかな」

「お前、奈良最強のストライカーなんだろ?」

風丸くんがそう言うと、中谷くんは不意をつかれたような顔をした後、少し得意げに笑って

「奈良最強…そう、僕が奈良最強のストライカーだよ。君達、そんなことも知らないんだ」

「私は元々専門がソフトボールだからね!」

「うるさい柊木。あとバットをしまえ」

風丸くんははあっとため息をつく。

「実は俺達、奈良シカテレビに入りたいんだけど、警備員の人達が入らせてくれないんだ。お前の力を借りればもしかしてと思って」

「僕の力……ふうん。いいよ、協力してあげるよ」

「本当か!?」

ありがとな!

そう言って風丸くんはにぱりと笑って中谷くんの手を握り、上下に振った。

「風丸くん笑顔素敵」

「……(バシッ)」

「いだっ!?」

褒めたのに叩かれた!
抗議の意を込めて睨みつけるように風丸くんを見上げると、風丸くんは顔を赤くしてしまっていた。

「赤面丸くん」

「…うるさい」

「なんで顔赤いの?」

「…男子には色々あるんだよ」

「はあ」

男の子はなにかと複雑みたいです。





集めろ!強力な仲間!
(そういえば風丸くん男の子だったね)
(…………)
(冗談ですごめんなさい髪引っ張らないで!)




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