稲妻11
□2.隣の席の男の娘!
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どうしてこうなった。
あれから、打倒宇宙人を胸に掲げて雷門イレブンは最強チームを結成すべく旅に出ることになった。
なった…が!
「あれおかしいぞ私確かソフトボール部だったはず」
強制連行されていた。
数時間前。
吉良瞳子という名前の綺麗なお姉さんが雷門イレブンの監督として現れ、バーサス宇宙人に奮起するサッカー部のみんな。私は、ああみんな頑張ってねそんじゃあ私半田の元に戻るわと病院へ戻ろうとしていた…のだが!
「待ちなさい、柊木ゆずは」
「へっ?」
「あなたにもイナズマキャラバンに乗ってもらうわ」
「は?」
「あなたのバッティングセンス、きっとサッカーにも活かせると思うの」
「why!?」
サッカーとソフトボールって全然違いますけど!?共通点球技ってことくらいしかありませんけど!?
「ということで」
「え、どういうことで!?」
「よろしくね、柊木さん」
「いやああああああああ!」
回想終了。
なんて横暴なの瞳子さん…!
でも美人だからなんとなく気圧されて結局同行しちゃってる私の弱さ!
ソフト部の後輩呆れてたよ!
みんなごめりんこ!てへ!
「うう…ソフトボールうううう…」
さめざめと泣く私。二人がけくらい(まあ三人でも裕に座れそうだが)の椅子に一人で腰掛けぶつくさ言っていると、不意に頭上から「おい」と声がかかった。
「んい?」
「隣」
「ふえ?」
「隣、いいか?」
「ふぁっ」
はい、と言おうとしたらふぁっとか変な声出してしまったうわあああああはずかし!案の定声をかけてきた人は「ぶっ」と吹き出すように笑った。
「…笑わなくても…いいじゃないか…」
「ふっ…ご、ごめんごめん」
「ぶうー」
いいですよーだ
そう言いながら横につめると、相手は「ありがとな」と微笑んで私の隣に腰掛けた。
…おおおお!
「ふつくしい…!」
「へ?なんか言ったか?」
「ななななんでもなっしんぐですはい」
「そうか?」
不思議そうにしながらもそれ以上問い詰めてこないその子は空色の髪をポニーテールにしたとんでもない美少女だった。
「私、柊木ゆずは!あなたは?」
「俺は風丸。風丸一郎太」
「ふへ?」
一郎太ちゃん?
なんだか男の子みたいな名前だなあ。
「よろしくね、一郎太ちゃん!」
「え?」
「へ?」
「俺…男なんだけど…」
「へえ…え?は?え?」
「…………」
「…すすすすいませんしたあああああ!」
隣の席の男の娘!
(やっべ超睨まれてる!)
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