三池亮太

□Snowflake
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収録が少し押した。
今日がオフのヒロインちゃんは、もう待ち合わせの場所にいるはずだ。

この寒空に待たせるなんて。
エンジンをかけるのももどかしく、
俺は待ち合わせ場所へと車を走らせた。

街は家路へ向かう人であふれ、
イルミネーションで輝いていた。
夕暮れの空気に青い光が映える。

この季節をヒロインちゃんと迎えるのは2度目。
俺は今日、ある決意を伝えるつもりでいた。


待ち合わせ場所に佇むヒロインちゃんは、
この季節にしては薄着で。
俺の車を見つけると嬉しそうに手を振った。

「ヒロインちゃん!遅くなってゴメン!」

「ううん、大丈夫だよ。気にしないで」

そう言って微笑むヒロインちゃんの顔を見ると鼻が赤く、
見るからに寒そうだった。

そんなヒロインちゃんを車に押し込むように乗せ、
暖房を全開にして目的地へと走り出す。

郊外へ向かう途中、ちらちらと雪が舞い降りてきた。

「亮太くん見て!雪!」

はしゃぐヒロインちゃん。
あまりに揃う条件に、
ロマンチック過ぎるなと思いつつ、

「ヒロインちゃん、子供じゃないんだからさー?」

と、夢中で雪を眺めるヒロインちゃんをからかう。
ホントは真面目になりたいとこだけど、
今はまだいつもの俺でいたかった。
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