三池亮太
□シンクロニシティ・バースデイ
1ページ/4ページ
クリスマスなんて嫌いだった。
少なくとも去年までは。
12月24日は1年で1番嫌いな日。
誕生日なのにクリスマスイブが重なるせいでいい思い出がない。
Waveに加入してからは仕事の関係で日にちは前後するけれど、
毎年必ずメンバーが祝ってくれた。
だけどやっぱりクリスマスも兼ねてなので嬉しさは半減。
表面上はアイドルスマイルで取り繕いつつ、内心は溜め息ばかりだった。
だけど今年はちょっと違う。
いつものパーティーだけど、ヒロインちゃんがいる。
付き合って初めての誕生日とクリスマス。
2人だけで過ごしたかったけど、今年は…と言いにくかったし、
パーティーは一磨の部屋だから、2人きりになれるチャンスもあるはず。
それに2人きりの時間は、これから先いくらだってある。
今年のパーティーはスケジュールの都合で23日の夜になった。
それぞれが少しずつ食べ物や飲み物を持ち寄って、一磨の部屋に集合。
ヒロインちゃんは仕事が早くに終わったらしく、手作りケーキを持って来てくれた。
「じゃあちょっと早いけど、亮太の誕生日とクリスマスを祝って…」
「かんぱーい!」
一磨の音頭でグラスを合わせ、パーティーが始まる。
一磨、京介、義人はワイン。
俺、翔、ヒロインちゃんの未成年組はソフトドリンク。
わいわいとそれぞれ騒ぎながら楽しい時間を過ごす。
途中、半分酔った京介がヒロインちゃんにベタベタ触りだしたから、
間にどっかり居座ってやった。
ヒロインちゃんも無防備な笑顔で相手するし…。
まったくさぁ…少しは自覚してよね?