VD企画

□Bitter and Sweet
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バレンタインの今日は、京介くんの家でお家デート。
DVDを観たり、お互いの仕事の話をしたりと、
ゆっくりとした時間を過ごした。

夕食を済ませてメインのチョコを渡す。

「京介くん」

ソファにかけて雑誌をパラパラとめくる彼に声をかける。

呼ばれて顔を上げた彼に、そっと箱を差し出す。
昨日、仕事を終えてから作ったチョコ。
生チョコに多めのお酒を入れて、京介くん好みにしてみた。

「これ、待ってたんだよね。
自分から言うとさ、がっついてるみたいだから我慢してた」

嬉しそうに目を細めて受け取ってくれる彼。

「開けていい?」

その問いに頷く私を見るとリボンをシュルシュルと解き、

「いただきます」

チョコが彼の口に消えていく。

「あ、美味しい。お酒利いててちょっとオトナの味?」

嬉しそうにしている割には2つ目に手が出ない。
チョコをじっと見つめて、何か考えている様子の京介くん。
そしてニヤッと口の端を上げて笑うと、2つ目を口にした。

次の瞬間、彼の手が私の後頭部に回り、
引き寄せられたと思ったらもうキスされていた。

少し開いた口に、京介くんが食べたチョコが入ってくる。
少し溶けているそれは、お酒の弱い私にはちょっとキツい香りがした。

「京…介くん…」

突然の出来事に頭が回っていない私を見て、満足そうな表情の彼。

「この間ハタチになったんだし、このくらいのお酒は大丈夫だよね?」

(ハタチになったのとお酒に強い弱いは関係ないよ…)

そう言い返したくても恥ずかしさとお酒のせいで頭がボーっとして、
言葉が上手く出て来ない。

「こんなに赤くなっちゃって…可愛いね、ヒロインちゃんは。
そういう顔を見せるのは俺だけにしてよね?」


お酒と彼に酔わされた、苦くて甘いオトナなバレンタイン。




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