Love and Tire
□夢
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今はまだ思い出にはできない-----
「あと少しで遠いとこに行かなきゃなんないかもね」
智は病室のベットで遠くを見ながらつぶやいた
「ばーか、あんたまだ元気でしょうよ」
りんごをむく手を止めずに言った
智のほうは見なかった・・・いや・・・見れなかった。
智の寿命はもうそんなに長くはない
延命治療ももうあんまり効果がなくなった
「んふふ、そうだね」
俺のほうに寝返りをうって笑う
「そうだよっ!」
あのとき俺はちゃんと笑えてたのかな
「ねーカズ」
「ん?」
「なんでもない・・・ん!これ超うまいぞ!」
俺のむいたりんごを口いっぱいにほおばって笑う
智はずっと笑顔だった