Honey Jiro Book

□守り人
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※暴力的です







「帰るぞジロー」

「うん!」

跡部は部誌を書き終えると、隣で帰り支度をして待っていたジローに言う。
跡部とジローは恋人同士。
毎日忙しい跡部だが、こうして一緒に下校出来る日をお互いとても楽しみにしていた。

「何か食べに行くか」

「へへ、じゃあね〜…」

部室の鍵を閉め、並んで歩き出す。

「………待て、ジロー」

「……誰か見てるね」

怪しげな視線に気づき、警戒しつつも顔色は変えず、そのまま進む。

「車を呼ぶ」

今日は二人で歩いて帰る予定であったが、跡部は車を呼ぼうと携帯電話を取り出す。その時、茂みから男が二人飛び出し、跡部とジローに襲い掛かった。

「チッ」

跡部はジローを庇いながら応戦する。相手は高等部の制服を着た男だ。しかも見覚えのある顔だ。跡部はその男達が自分達のテニス部の先輩であった事に気がついた。
どうにか逃げ道を作った跡部だが、後ろから迫るもう一人に気が付かなかった。

「跡部!」

咄嗟にジローが跡部を突き飛ばし、二人は倒れこむ。頭上を通り抜けたそれに、二人は青褪めた。もう一人の現れた男は、跡部に向かって思い切り金属バットを振っていた。こんなもので殴られたら一溜りもない。
立ち上がる暇もなく、はじめに殴りかかってきた男がジローを取り押さえる。

「ジロー!」

ジローを助けようとする跡部に、バットが振り落とされた。
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