Honey Jiro Book

□満○電車
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金色の髪をふわふわさせた、氷帝学園の制服を着た男の子。毎朝氷帝の駅で開く方の扉のいい隙間にすっぽり嵌って、壁の方を向き立ちながら眠っている。

いいよなあ、気楽で。

最近仕事がうまくいっていない俺はそんな事を思いながら彼を見つめる。

とある駅に着くと人が大勢乗ってきて、動けない程満員になる。彼にぴったりくっつく形になる。彼からは陽だまりのような匂いがした。


気が付くと、彼に触れていた。

触れると言っても腰にそっと手を添えているだけだ。
彼は起きない。ゆっくり、腰から太ももにかけてを撫でるがやはり起きない。

結局氷帝の駅に着くまで俺はずっと撫でていた。

駅に着くと、彼はボーッと目を覚まし、怠そうに降りていった。



次の日はまた腰の辺りを撫でながら、さりげなく髪を撫でた。
それを何度か続けた。


ある日、遂に尻を触った。
手の甲を使ってさりげなく割れ目をなぞると、いけない事をしている罪悪感、バレたらどうしようという危機感、そして目の前の可愛い少年を見て、興奮した。
明日は何をしようか。毎日が楽しみだ。




次の日、彼の姿が見当たらなかった。
気付かれたのだろうか…?それとも遅刻?

しかし次の日も、その次の日も彼は現れなかった。

きっと気付いて車両を変えたのだろう。
捜さなくては。
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