09/20の日記

00:02
ヒガンバナ:悲しい思い出
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「あーあ。雨超うざいんだけど!!」

町を歩けば、否応なしにそんな言葉を耳にしてしまう雨の日は、
差した傘の中で、自然と俯いてしまう。

分かっている。
この雨を降らせているのは、自分ではない事を。


けれど


あの日見た、雲の間から差しこむ陽の光も、
雨が上がったすがすがしい空気も、
青く広がる空も、
鮮やかに思い出せるのに、

心に色濃く残った雨の記憶で、揺らいでしまう。

この体質のせいで、一つ所に居る事が出来なかった。
雨のせいで、自分と言う人間を見てもらえずに、
いつしか、自分の本当の気持ちも口に出せなくなった。
傷つくのを避けるために、
誰かを好きになることすらしなくなった。


無意識で胸に手をやれば、今まであった感触が無い。

テルテル坊主・・・

雨に心が痛む時は、どうか止みますようにと、
いつも祈るように握りしめていた。
触れている時だけは、少しだけ気が紛れた。

本当に、もう作らなくて良かったの?
提げて歩かなくて良かったの?

自分に問いかける。



確かに、望んだのは晴れ渡る青空。



けれどそれが見えない今は、

雨が降る中での、幸せな思い出が欲しい。

〜終〜

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